灰色な世界で生きる主人公が、盲目の歌姫と出会うことで色鮮やかな世界に戻っていく。情感たっぷりでとても感動できる短編です。
読んでいて音楽とそこにあるはずの情景がはっきりと目に浮かんでしまいます。
音楽や人間の心というものがテーマになっている小説で、まるで一本の傑作映画を見てしまったかのように心は癒される。最高の読後感でした。
技術が発達したSF世界で、それでもなお変わらない人間の心というものの複雑さや美しさを教えてくれる小説です。
文と文がキラキラと輝いているかのように、美しい物語で、短編ながらも重層的な物語。
これは映画館で見てみたいなぁ。
そう思ってしまうほど素敵な物語でした!