第3話 男の優越感

「アイツ!同期会の事なんてひと言も書いてなかった!」


 とは言っても妻が男の所へ連絡<メールだが……>を寄越すのは、男の所へ来た郵便物の内容画像や男のカード名義で買った通販の買い物などの必要最低限の事だけだ。


 かつて男や“部長”の同期(34期)だった彼の妻は、同期の間ではもっぱら後にのちに部長となる“イケメン”とできているとの噂だった。 


 しかし実際の所は、彼女はひょんな事から男と親密になり、男も他のヤツには取られたくないと言う気持ちが大きく働いてなんとか結婚まで漕ぎ着け、すぐに子宝にも恵まれた。 


 その娘も母に似て美人で中学時代から読者モデルドクモなどもやっている。


 件の“部長”は、男が結婚してから程なく、社長の娘に見初められてゴールインしたが子宝には恵まれていない。


 これが、男が同期の中で優越感を覚えている唯一の事だが、実際は家族L●NEさえ(家族と言っても三人だが)蚊帳の外だ。


 昨年末のメールも『私は美羽みわと実家へ帰るけど、あなたも来たければ来れば』だった。

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