年季の入った「アニメ」好きの細かいこだわり
独立国家の作り方
第1話 アンドレ!
昭和のアニメの熱量って、ちょっと異常なものがありました。
3年前「ベルサイユのばら」の準主役と言えるアンドレの声を担当されていた志垣太郎さんが亡くなり、なんだかもう書かずにいられなくなってしまいました。
なんでこんなことを書くか、と言えば、実は若い頃、志垣太郎さんには、仕事で御世話になったという経緯があります。
私の黒歴史でも書いたのですが、私は学生時代に特撮を志し、円谷プロへ仕事探しに行きますが、結局何故かアクションのアルバイトを暫く続ける、と言う所までは書きました。
その後、特撮関連の会社を紹介して頂き、色々な制作にも携わっていましたが、学校を卒業後は結局マスコミの世界へと進みます。
多くは書きませんが、その現場で、志垣太郎さんとご一緒する機会が何回かありました。
劇中に出てくるアンドレは、ただ一途にオスカルを陰から愛し続ける、女性からしたら理想も思想ではないか、と思います。
では、声を担当した志垣さんは実際どんな人物だったのか・・・・
もう、まんま、アンドレでした。
とにかく恋愛に関しては一途で、浮気どころか女性が接待するようなお店に行ったことすらない、という筋金入り。
話をしていても、とにかく奥様が初めて付き合った人で、生涯奥様一筋だったようです。
それ故に志垣さんも女性がいるお店がどんなものか解らず、わたしにどんなところなの? って聞いていました・・・・ちょっ それじゃあ私が詳しいみたいじゃないですか(笑)!!
なにしろ、テレビ版ベルばらの大ファンでもある私としては、志垣さんの一途な所が大好きでした。
真面目で純粋で、もう本気で世界中の人が幸せになればいいと思っているような人で、なんだか考え方が聖人みたいで眩しい存在です。
偲んだところで、もうお会い出来ないのですが、また笑いながら冗談を言い合えたらいいのに、なんて思ってしまいます。
今回、劇場版でリメイクされると聞いていますが、あのテレビ版ベルサイユのばらを超える事ができるのか、少々疑問です。
なにしろ・・・・毎週面白い、と言う極めて稀なアニメでしたので。(数年前、BSで毎週再放送していた時は、取り貯めせず、わざと一年かけて毎週観ていたほど、、)
そう言うアニメって、何本かありますが、これほど毎週続きが待ち遠しいアニメも珍しかったのではないでしょうか?
私は子供心に、これって本場のフランス人が見たら、どう思うんだろう、と考えていました。
やはり、日本人による日本的解釈でフランス革命を描くのですから、リアリティーに欠けるのでは、などと勝手に心配していました。
とにかく素晴らしい作品でしたので、へんな批判だけはされたくない、と、まるで制作スタッフの如き心配ぶり。
しかし後年、実はフランスではベルばらが放映されていて、当時絶大な人気を誇っていたと聞き、安堵しました。
なんでも、オスカルのあまりの魅力に、結婚をやめてしまう女性が続出したとか、このアニメを全フランス人に見せるべきと本気で議論になったりとか、とにかく私の心配を他所に、本国フランスでは大ヒットとなったアニメだったようです。
なんとなく・・・・アンドレの声を務めた志垣太郎さんご自身の性格や一途な所も、フランスの方に理解してもらいたいと感じてしまうのです。
志垣太郎さんは、この汚れた世界で生きて行くにはピュアすぎたのかもしれません。
きっとお辛い事も多かったのでは、と思います。
そんな志垣さんを偲んで、ちょっと今回は書いてみました。
そして、このベルサイユのばらは、原作が凄まじく良い事の他に、とても恵まれた要素がもう一つあります。
それが、出崎 統(でざき おさむ)氏による監督作品であった点です。
(ちなみに、13話までは長浜 忠夫(ながはま ただお)氏によりますが、お二人とも熱いドラマの第一人者と言えると思います)。
この出崎 統さんの手掛けた作品は、私の心に深く、まるで傷のように、棘のように刺さり続けているものがとても多いのです。
そんな出崎氏の演出について、次回は触れたいと思います。
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