僭越ながら、本レビューの筆者は、自作が言霊を主題にしているとカクヨムにてコメントをいただいたことがあります。
ならば作者自身が言霊を扱うと宣言した作品を読んでみよう、そう思い立ちました。
言ったことが叶う。普通は起きるはずがないことが、目の前で起きていきます。
幾年にもわたる物語です。サッカー選手が上達することに本人によるたゆまぬ努力がないはずがありません。しかも、とある言葉を発した経緯が、まあ、阿呆でして……。
作中に描かれないものの、阿呆と言われたサッカー選手の奮起が見えます。阿呆と言われた、なればこそ、と。
これは、とある一つの言葉に導かれ、発した言葉に恥じぬ自分になろうとした、ある青年の物語です。