第4話 衝撃の真実
俺は一瞬で凍りついた。
可愛らしい赤い下着の中に、女の人には絶対にないふくらみがあったからだ。
「え、あの、えっ!?」
「あーあ、バレちゃったかぁ。まあ、いっか!」
そう言ってケロッとした顔で立ち上がる瑠璃。
逆に俺が動けない。
「な、なんでそんな格好してるの!?」
「は? あたし、似合ってるっしょ?」
「そ、そういう問題じゃなくて……」
頭がパニックだった。
可愛いと思ってた相手が、まさか男子だったなんて。
いや、そういえば声も少し低かったような気がする。
でも、あの仕草とか話し方とか――完全に女子じゃん!
「えー、男が女の子恰好するのってそんなに変? 別にどんな格好しようが周りに迷惑かけてなけりゃそれでよくない?」
「そ、そうかもしれないけど、でもやっぱり変だよ!」
「いやいや、悠斗くんが知らないだけで、この世界にはあたしみたいにおしゃれ楽しんでる男の人なんてたくさんいるんだよ?」
「そ、そうなの?」
そういってスマホを見せられれば、そこにはいろんなアニメの格好をした女の人たちがいた。
どれもみんな活き活きしてて、すごくキラキラしてる。
その写真の中で見覚えのある顔の女の人が目に留まって――
「もしかしてこれ――」
「そそ、今年の夏コミでとったコスプレ写真。めっちゃ映えてるでしょ」
瑠璃にないはずのおっぱいが爆弾みたく乗ってる写真を見て、絶句する。
確かにすっごくかわいいけど、これが瑠璃?
と喉に出かかった言葉を飲み込んで慌てて首を振る。
いやいや何を言ってるんだ俺は。
だって瑠璃だぞ? 男なんだぞ?
いくら可愛いからって、ありえないだろう。
なのに目が離せなくて――
「てかさ、悠斗くん、もしかして女装に興味あったりする? ちょうどロリっ子の合わせで弟に頼もうと思ってたんだけど、そんなガン見してるならあたしがメイクしてあげよっか?」
「するかーっ!」
そういって、スマホを突き返すと、恥ずかしさにたまらなくなってその場を駆けだす。
瑠璃は俺の反応を見て、楽しそうにケラケラ笑っている。
その笑顔が妙に腹立つけど、同時にどこか悔しいことに可愛く見えてしまうのが、また嫌だった。
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