華やかなテレビ業界を舞台にしながら、その裏側に潜む不穏さが少しずつ見えてくる構成に引き込まれました。
心理学者探偵・芹沢孝次郎が、相手の言葉や態度から違和感を読み取り、冷静に真実へ近づいていく姿も魅力的です。派手なアクションだけに頼らず、会話や状況の積み重ねで謎を深めていくところに、ミステリーとしての面白さを感じました。
そして何より印象的だったのは、読者参加型という形式です。
物語を読むだけではなく、「次に誰を調べるべきか」「どの選択をするべきか」を考えながら追いかけているうちに、気付けば自分も捜査会議の一員になったような感覚になります。
近況ノートも読ませていただいておりますが、読者の意見を取り入れながら物語を動かしていくという発想や行動力には、思わず感心してしまいました。
更新を重ねながら読者との対話まで作品の一部にしてしまう姿勢は、本作ならではの大きな魅力だと思います。
小説を読むというより、一つのエンターテインメントとして、みんなで事件を追いかけているような没入感があります。
読者の想像や推理までも作品の一部にしてしまう――そんな挑戦的な試みがとても印象に残りました。
華やかな笑顔の裏に何が隠されているのか。
そして芹沢が辿り着く真実とは何なのか。
続きを選び、見届けたくなる参加型ミステリーでした。