第25話
ドスッ!!
「!?なんだ!?刺客!?」
熟睡をしていた里哉は突然、自分の体の上に何かが乗り目をカッ開いて叫んだ。
が、起き上がろうとするも見慣れたものを見つけ、己の上に何が乗っているのかを悟り、ガッチリと入った体の力を抜く。
そして
「夜這いか?ナナ」
そう言って、見えているナナの頭を撫でた。
「……」
ナナは何も言わない。
その代わりに無言でバシバシと里哉の胸を叩く。
そうじゃない、と。
そんなことは里哉もわかっている。
里哉はナナを女として見たことは一ミリも一瞬もない。
そしてそれはナナも同じ。
この二人は血の繋がりはなくとも、兄妹だった。
ナナは黙ったまま。
母親のことか、金のことか、双子の兄のことか。
「ナーナ」
優しく里哉が呼ぶと、ようやくナナが顔を上げた。
「ハハッ」
膨れっ面が面白くて、つい里哉は笑ってしまう。
するとまたバシバシと叩かれてしまう。
「悪い悪い。可愛かったからよ」
「……人たらしだ」
「んー?」
グリグリと胸に顔を押し付けてくるナナの頭をもう一度里哉は撫で
「何があった?」
と聞いた。
少し間は空いたが、ナナが話し出す。
「男はどうして性欲のためなら好きでもない女でも抱けるの?」
「……んー?」
なかなかにヤバめの質問がきた、と里哉は頬を引きつらせた。
団地*決してホラーではありません* めけこ @mekeko-427
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