第3話
「えっ!?なっ……ゴッフゥッ!!??」
ゴンッ!!
ゴロッ!!
脇目も振らずに雄大が突進してきた。
避ける間もなくお腹に抱きつかれ……
その勢いの凄さに廊下の壁に激突。
頭を打ち、廊下に転がる。
腹に抱きついたままの雄大と共に。
「アイタタタ……。雄大!!」
「居るっ。奴が居るっ」
なんとか体を起こし、怒ろうとした……が
フルフル震えて、頑なに目を瞑った雄大がそんなことを言う。
「ハァ~……。今日は何??」
「黒い悪魔」
「ゴキ」
「やぁ!!その名で呼ぶなぁっ!!」
いやいやいや、ゴキをゴキ以外なんと呼べと?
黒い悪魔だなんて、冗談じゃない。
「ちょっ……と、桃ちゃんが帰ってくるまで昼寝でもしようかと思ったら……奴がっ奴が壁にっ」
「うん、で?」
「そこからどちらも動かず睨み合うこと……一時間……」
「えっ!?」
一時間!?
一時間もあの状態でいたの!?
てか、ゴキと見つめ合う方が嫌じゃない?
「早くっ、早くやっつけちゃって!!」
「ジェット置いてるでしょ!?自分でっ」
やれっ
と言おうとすると、全力で、首が取れるのではないかと言う程おもいっきり首を横に振られる。
「無理!!」
「無理じゃない!!」
「嫌っ。怖い!!だだだだってととととと飛ぶっっ」
「もうっ」
おわかりだろうか……。
スーパーイケメン漁師。
あの巨大なマグロは恐れもしないのに……
自分よりも小さな小さな虫に激弱の、虫には勝てない、虫嫌い系男子でした……。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます