第2話
「ただいま〜」
18時過ぎ、パートを終えて買い物も済ませて我が家へ帰宅。
マグロ漁は一本釣れれば値段は高いけれど、この一本が最近は釣れなくなってきている。
だから、少しでも家計の足しにと私もパートで働いている。
今日は朝から時化ていて休漁。
雄大は朝のうちは漁で使う道具の手入れをして、それが終わったらジム。
15時には家でテレビを見ているとラインが入ってた。
静かな家。
お?
雄大、居ないのかな?
靴を脱いで家に入る。
いつもなら”おかえり〜“って出てきてくれるのだけど
「……桃ちゃんっ」
「……」
うん……?
何か聞こえたような?
耳を澄ます。
何も聞こえない。
気のせいか。
「今日の晩御飯は〜」
「……桃ちゃんっ」
「……」
デッカイ独り言を述べていたらまた何かが聞こえる。
妖精!?
妖精じゃね!?
ハッ!?
座敷わらしか!?
座敷わらしが居てくれてるのか!?
それはぜひともお目にかかりたい!!
「……桃ちゃんっ」
確かに聞こえた!!
この部屋だな!!
それは二人の寝室だった。
ソローッと、座敷わらしをビックリさせないようにソローッと私は部屋のドアを開ける。
「「……」」
そこには
部屋の角には座敷わらしならぬ
デカイ図体を最小限にまで縮こまらせて三角座りをしている旦那が居た。
目が合う。
「なぁんだ、雄大か」
座敷わらしじゃないのか、残念。
なんて思いながらドアを開けると
「キャーーッ!?」
「!!??」
雄大が若いおなごのような悲鳴を上げた。
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