第49話

「ふむ」



「知っていることがあれば、教えて下さい」




深く頭を下げます。




「“LOST”って呼び方は最近呼ばれるようになったんだよね」



「なるほど」




だから聞いたことがなかったんですね。




「その名の通り、失う」




仮面をつけているから、表情まではわかりません。



けれど、声音はどこまでも真剣で。



事が思っていた以上に重いのだと思い知らされます。




「……何を」




わかっていても、聞いてしまいます。




「“星”」



「「「「「……っっ」」」」」




あたし達は息を飲みました。



“星”を失うーー。



そんなこと考えたこともありません。



ずっとココにあるものだと……




「どうしてなのか、答えはでているのてすか?」




喜田川さんが聞きます。




「多々あると言われているけど、最も多いのが“使いすぎ”」



「なぁっ!?」




声を上げたのは碇さん。




「後は病気」



「病気……」




この人は何で星“を失おうとしているのだろ




ガシッ!!




「!?」



「シンッ!!」



「ちょっと!!アンタッ!!しっかり押さえときなさいよ!!」



「やってるよ!!」




碇さんの力が少し緩んだみたいで、あたしは男の人に手を掴まれました。




「大丈夫。あたしは大丈夫ですよ」




男の人の力は弱い。




「“星”を失ったらどうなるんですか?」



「死、もしくは廃人」



「っっ」



「そんなっ」




この人……死ぬんですか?




「助けて……助け……」





助けを求められます。




「あのっ、でもあたしには……」




力も何もないあたしには




「アンタの……“星”を見たとき……苦しみも…痛みも引いたんだ……」



「えーー?」





そっそうなのですか!?

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