第47話
これだけの騒ぎなのに、講堂に誰かが来る気配は皆無です。
外で見張っているという“GUARD”が止めているのでしょうか?
ならばそれはそれで好都合。
「こっちは大丈夫、気絶しているだけだ」
長谷川さんが、飛ばされ壁に激突した先生方の様子を見てくれていました。
良かったです。
「あのっ」
「はい?」
「シン?」
皆さんから注目される。
「ヨコセッヨコセッヨコセーーッ!!」
「黙れっ」
またグッと空気が重くなります。
「お話出来ますかね?」
「あ?」
「ハァ!?」
「え?」
「シン?」
「大胆だねぇ」
ビックリされる。
けれどこれが1番早いです。
この人は、昨日の人ほど正気を失っていません。
今なら話が出来ると思うんです。
“ココロ”とはなんなのか。
どうして欲しがるのかー。
「全く、アナタは」
喜田川さんが大きい大きい溜め息をつきます。
「ごめんなさい」
けれど、隣に来てくれたということはOKということです。
よしっ。
「碇さん」
「おう、大丈夫だ。しっかり押さえといてやるよ」
グッと親指を立てる碇さん。
頼もしい天パさんです。
「今、天パ関係ねぇだろうがっ」
「待って、シン」
「柚乃ちゃん?」
柚乃ちゃんに止められます。
どうしたものかと、柚乃ちゃんを見ると彼女の胸の前では“星”が輝いていました。
澄んだ海のような青い“星”ー。
「柚乃ちゃん?」
“星”を出してどうしようと?
キョトンとするあたしに
「何を見張ってるのか知らないけど、ピンチになっても助けにも来ない“GUARD”がムカツクから、今からシンが話すことも聞くことも奴らには聞かせてやらない」
そう言って、柚乃ちゃんはニッと笑うと“力”を発動させました。
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