第27話
「ゆゆゆ柚乃ちゃん!!」
「毎回ゆが多い」
「一緒に学校に行きませんか!?」
「もう行ってる」
「……本当だ!!」
あたしってば、なんてアホな……
「ふふっ。シンって面白いね」
柚乃ちゃんが笑ってくれる。
「え!?え!?柚乃ちゃんは優しいですね!!」
「……そんなことはない」
あたしの言葉にプイッと横を向く柚乃ちゃん。
嫌だったかな?と柚乃ちゃんを伺い見ると、耳が真っ赤でした。
照れているようです。
「柚乃ちゃんは優しい上に可愛いですね」
「……」
「柚乃ちゃ!?柚乃ちゃーーん!!」
とても早歩きになった柚乃ちゃんに置いていかれ、走って彼女を追いかけます。
「お待ち下さーいっ!!」
「喜田川さん!?」
そんなあたしの後ろを喜田川さんが迫ってきました。
速っ。
速くないですか!?
「って!!なんであたしを置いていくんですか!!」
「アナタが遅いからです。遅刻しますよ」
「まだ、十分時間はありま……わぁあっ、置いていかないで下さいーーっ!!」
置いていかれそうになったあたしは必死に2人を追いかけました。
「……ぐっうっ」
「……あの、大丈夫ですか?救急車呼びましょうか?」
「……ぅぅぅぅぅ」
「ねぇ、行こ。何か様子がおかしいよ……。怖い」
「……うん」
「……ココロ。……ココロ……コ…コロ」
「!!??」
「シンさん?」
「シン?」
突然止まったあたしに、どうしたのかと二人が聞いてきますが……。
「……なんでもありません」
そう答える。
強い視線を感じた気がしましたが……気の所為ですね。
「……」
「喜田川さん?」
「今、参ります」
視線を感じた方を何故か喜田川さんも見ていて、険しい表情をしていました。
喜田川さんー?
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