第24話
いやっ!!
ダメッ!!
大切な人なのっ!!
あたしから喜田川さんを奪わないで!!
“星”よ、あたしの“星”!!
力があるなら、喜田川さんを助けて!!
ザァッ!!
願いが通じたのでしょうか。
!!??
喜田川さんが轢かれるまさにその瞬間、水が……
水の球体が喜田川さんを包み、その体を持ち上げた。
シャボン玉の中に人が入ってるみたいな状態です!
車は喜田川さんにぶつかることなく
「バカ野郎!!気を付けろ!!」
そんな言葉を残して走り去って行く。
だだだだ誰がバカ野郎ですか!!
バカ野郎はアンタですよ!!
おもわず心の中で運転手さんを詰ってしまう。
って、そんな場合ではありません!!
喜田川さんっ!!
喜田川さんっ!!
喜田川さんは水の球体に包まれたまま、あたしの元まで漂ってきて……唐突に球体が割れました!!
「喜田川さん!!」
喜田川さんに飛びつく。
「濡れますよ」
「無事で良かったぁああああっ!!」
濡れるのなんてなんてことはないのです。
喜田川さんが無事ならもうそれだけで!!
「さすがの私もダメかと思いました」
抱きしめ返してくれた喜田川さんが言う。
ピーポーピーポー!!
あっ!!
救急車!!
妊婦さん!!
誰かが呼んでくれた救急車が到着する。
あたし達は妊婦さんに駆け寄る。
「ご……ごめ……なさ」
「良いんですよ」
「無事で良かった!元気な赤ちゃんを産んでくださいね!」
妊婦さんは救急車に乗せられて、病院へ。
助けて下さった人達にお礼を言うと、皆さん、「無事で良かった」などと言ってくれました。
ありがとうございます!!
ありがとうございます!!
「しかし……これはどうしましょうかね」
「ね」
二人ともびしょ濡れです。
あっでもっ。
「喜田川さんっ、喜田川さん、あたしっ」
「……大丈夫ですか?」
ーーえ?
一人の女のコが話しかけてきました。
あっ、同じ制服!!
「ごめんなさい。とっさのことで、力加減が出来なくて、びしょ濡れにしてしまいました」
「「!!!!」」
そんな風に言うということは!?
「私を助けてくれてのは、貴女ですか」
「はい。あの水の球体はあたしの“力”です」
それを証明するように、女のコな胸の前には水色の“星”が。
危ない!!
危うく、自分の力が目覚めて喜田川さんを助けたなどと戯言を吐くところでした!!
恥ずかしい!!
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