第16話
“星“は己の“力”だから、自ずと理解し使えるようになる。
誰か偉い方が言った言葉かと……。
その通りで、早い人で力“の発現は2歳、3歳だったりで遅くとも5歳までには使えるように。
しかしあたしはずっと、ある時まで自分の“星”の色と形に疑問を持ちコンプレックスとなっていたからでしょうか。
全く“星”の“力”が理解出来ないのです。
だから“力”が使えるわけもなく。
どんな“力”なのかわかるわけもなく。
今に至ります。
「マジか……。んな奴居るのかよ」
「嘘ついてねぇか!?」
二人はマジマジとあたしの“星”を見る。
「あなた方に嘘をついて、なんの得があるのですか?」
何か頂けるなら……。
いや、ダメです。
うちには怖い方がおられました。
「希少な“力”だとか」
「ヤバい“力”だとか」
「ありません」
「まぁ、“力”があるようには見えねぇ……よな」
「形のせいか…?いや、このくすんだ色……」
好き勝手言いますね。
まぁ、慣れてますけど。
「不憫じゃねぇか?」
不憫?
「使ったこともない“力”に不憫はしませんよ」
使ったことがないのだから。
「嫌じゃね?」
ストーレートですね、天パの人はさっきから。
「それは嫌でしたよ。ずっと」
「だよな」
「……」
「でも、たった一人の人がこの“星”を好きだと言ってくれたんです」
「「え!?」」
そんなに驚きますか?
「その日からあたしも誇れるとまでは言わないけど、嫌いではなくなりました」
あたしは灰かぶりの“星”を包むように触れて笑った。
それでもいつか、この“星”が目覚めることを信じてる。
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