第20話
昨晩ギルドでの食事後宿に戻って眠りについた
「ハレオ様朝ですよ」
狼獣人のマルロと妹マルカが起こしてくれる
「二人とも毎朝早起きやなぁ」
「村では太陽が昇り始めると同時に活動してましたので慣れてるだけですよ」
「朝から仕事とかあるもんなぁ地に足着いた生活してたんやな」
「ハレオ様大体の村はそんな感じですよ」
「それもそうか。取り敢えず朝飯貰って少女に食べさせてからロウガに声かけて俺らもご飯にしよか」
「わかりました」
「わかった」
階段を降りてロウガに声をかけ宿のオヤジに飯を頼み少女に食べさせてオヤジにベット用のシーツを売ってもらい出発の用意が出来たので少女を抱き抱え昨日注文した馬車屋まで移動する。何時もの通りを歩き馬車屋が見えてきた
「こんちゃ昨日馬車購入したの貰いにきたんやけど出来てますか」
「いらっしゃいませ。あぁ昨日のお客様。ご注文の馬車出来てますよ。それで……言われた通り横側取り払ったのですが、これで本当に宜しいのですか」
「おぉ。こんな感じで全然大丈夫ですよありがとさん。よし取り敢えずマルロ宿から貰ったシーツを敷いてみてよ」
「こんな感じですか」
「そうそうええ感じやな。ほんで少女を寝かせてと。まぁ良い感じかな。これで草原までの移動は大丈夫やろ。いや待てよ、店員さん草わらみたいなんてありますか」
「裏にございますよ」
「それ分てもらえますか、このシーツの下に履きたいんやけど」
「大丈夫ですよ。少し待っててくださいね」
流石に木直すぐシーツやと背中痛くなりそうやしな藁でも履いとけば幾分ましやろう
「お待たせしましたどうぞ」
「ありがと。んじゃマルロ、そこに藁履いてみて。そうそう、んでさっきのシーツその上に置いてと。おお完璧やがな。これで大丈夫やろ。んで、ロウガこの馬車草原まで引いて行ってもろてええかな」
「ふむ。仕方あるまい引いてやろう」
「よっしゃ。取り敢えずこんな所やわな。馬車屋よありがとう。貰って行きますわ」
「はい。またのご利用お待ちしています」
馬車屋を出てから思い付く
「そうや。一月もの間袋に直で硬貨入れとんの不安やな。今手持ちが金貨二千枚付近あるからマジックバックとやらを購入しとくか」
この数ヶ月ボチボチの数を蛇倒してたので、一回倒せば金貨六十枚、日に出て行く金貨は微々たるものなのでお金がそこそこ貯まってたのだ
「草原行く前にジルさん所いってマジックバックないか聞いて買えそうなら買うわ」
少し通りを戻りジルさんの店に到着する
「こんちゃー。ジルさん居てますか」
何時もの店員さんが対応してくれて奥に呼びに行って貰った
「これはどうもハレオ殿。最近はいかがですかな」
「こんちゃですジルさん。最近もすこぶる調子良いですよ」
「それは何よりです。それで今日はどうなさいましたか」
「今日はですね、そこそこお金が貯まったのでマジックバックがあるのなら購入しようかと思いまして来てみました」
「マジックバックですか。マジックバックは私の商店では扱ってないのですよ。と言いますかマジックバックを作るのに詳しくは分かりませんが、空間魔法と言う希少な能力を持つ人を国で雇って作ってるみたいなので王都にある国直轄の店か、たまにダンジョンから出るバック位しか出回らないのですよ」
なぬ。そこら辺で買える物とちゃうかったんかぁ
「そりゃ高額になるのも頷けますね」
作れる人が限られてるって事は出荷量調整出来るから値段調整効くもんなぁ
「ですが。私が以前使っていた小さいサイズで良ければお譲りしますよ。馬車一台分位しか入らず時間経過するバックですが」
「おお。それは有り難いです。しておいくらになるんでしょうか」
「金貨千枚で宜しいですよ。元々何処に売りに行ってもそれ位の値段なので、縁あるハレオ殿の役に立つならどうぞお買い求め下さい」
「か、買います。ありがとうございます」
袋から金貨を取り出してお支払いする。希少なバック千枚とは安すぎるやろ。この世界に来た時にアランが最低でも千枚って言うてたから市場ではもっと高いはずやしな。ジルさん。いやジル様良くして頂いてあざーす
「では少々お待ちくださいね」
「はぁい」
少し奥に引っ込んですぐにジルさんが戻ってくる
「これがマジックバックです。中をご覧下さい真っ暗になってますよね、ここにこの銀貨を入れると、どうです見えなくなったでしょ。見えなくなっていますがこれこの通り中から取り出せるのです。ハレオ殿試してみてください」
ジルさんが銀貨を入れたり出したりしてるのを見て試しにやってみる
「なるほど、こうやって銀貨を持ったまま中に入れると。手が奥に着いちゃいましたね」
「ふふん」
店の外に待機してるロウガに鼻で笑われる。ロウガは俺が魔法的なものには弾かれると気付いていて笑ってるのだ
「なんですと。おかしいですね先程はうまくいったはずなのですが」
「あ、あのうジルさん。ウチのマルロとマルカに試させてみますね。兄妹よ今の見てたやろやってみ」
兄妹は何事もなく出し入れできるみたいだ
「ハレオ様出来ますね。取り出す時は頭に入ってる物が浮かぶみたいです」
「出来たー」
「そかそか。んじゃジルさんありがとうございます。俺が使えないのは体質的なものがありましてそれで多分使えないのだと思いますよ」
「ハレオ殿。そうなのですね、そう言えば最初から魔法が使えないと仰ってましたし、と、あまり詮索はやめておきましょう。ご購入頂きありがとうございました」
「いえいえこちらこそ。ではまた来ますね」
ジルさんの店を出て草原の方へ進みながら
「んじゃこのマジックバック、マルロが持っといてな。んでお金も全部入れといてその中から生活に使うお金使っといたらええからな。頼んどくわ」
「分かりました」
そんな話しをしていると前に召喚した場所辺りまできた
「この辺りやな。よしやるか。皆には昨日も説明したが此処で召喚します。マルロとマルカよ約一月無理しない程度に頼んだぞ。とは言う物のもしかしたら今回は召喚二回目で最初の時より動けない状態にならない可能性もある……あるよね。ロウガよあるよね」
「む。無いぞ。確実にあの状態になるであろう」
「いやいや。初回の時より俺パワーアップしとるわけやし無いかね」
「無いな。少し説明してやるとこの召喚方法が問題だな。
此処とは違う世界から大きな魔力を備えた何かを引き寄せるのだ、当然引き寄せる側の魔力が少ないとそれなりの何かしか引き寄せられぬであろうよ。
此処の世界での大きなものを引き寄せる召喚方法は見た事無いが、大凡一人で足りぬから複数人、時には百を超えるものが魔力とそれでも足りぬと生命をも代償にして呼び寄せるのであろう、それをお主は一人でやるわけだ代償が無いなどありえぬよ。
それに距離が問題だな。幾つの世界を超えて探しているのかは分からぬがすぐそこと言うわけでもあるまい遠ければ遠い程必要な出力も上がっていくであろうからな。
故に面白い。定命のものが扱える……いや生物が扱える事象の範疇を超えておる。
人種の僅かであろう人生と言う名の時間、近くで見てるのもまた一興であろう。酒も美味いしな」
「なんやええ話しに纏まりそうやったのに酒なんかい。まぁええわ結局身動きできん様にはなりそうやわな」
「我の様な強大な王を召喚するのに代償無しな訳があるまいて」
「さいでっか。強大な王様には俺が身動き取れなくなってる間皆んなの守護お願いしときまーす」
「うむ」
「と言う訳でマルロとマルカやっぱり身動き出来なくなりそうやから頼んだで」
「ご武運を」
「はーい」
「返事が良いマルカちゃんはおっちゃんが抱っこしてヨシヨシしたろ」
「やー」
素早い動きで兄の後ろに隠れられた
「逃げられてもうたがな。かわええのぉ」
よし、やるか。まずは条件頭に浮かべてと、人間に攻撃禁止、俺には攻撃許可、食事に人間が入ってない、人間の欠損及び状態の回復が出来る、そしてこちらに来た後に近くの馬車で寝て居る少女が居るんですけど、その子の回復をまずお願いしたいです。
後は女神みたいに美しくて大きな大きな包容力に包まれそうな容姿の綺麗所でお願いします。イヤこれマジで。良く見たらウチのパーティー男率高過ぎ君やからそろそろええやろ。マジ頼む。
当方アットホームな職場です。皆んなでワイワイ過ごせたらなと思い募集しました。良ければご一緒に冒険の旅へ出掛けよう。
「いくで!召喚陣」
前と同じように小岩に上りギルドでフライから仕入れといた小さな召喚陣の写しを見ながら鎖に魔力を込めると前回と同じ様に鎖が大きな円を描きつつ召喚陣の形になり込められた魔力で陣が光出す
「俺魔力全部持っていけッ」
身体の中から魔力がごっそり抜けて行くと共に召喚陣を描いてる鎖から強い光が溢れ出す。
暫くして光が収まりだすと召喚陣の真ん中に何かの姿が見え始める
「今回も成……」
ハレオはやはり気を失った
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