占い意味なし?
エムちゃんが頬杖ついて溜息いてる。
「もうだめかもしれない…」
結構深刻な雰囲気だけど…相手はエムちゃんだ!油断してはいけない!
でも聞いてみる。
「溜息なんかついて、どうしたの?」
「占いがね…」
「占い? エムちゃん自分で占いできるんじゃなかった?」
「できるよ。人のはね」
「人のは?」
「そう、自分のこと占えない」
「なんで?」
「絶対大丈夫!って思うと大丈夫な結果が出るの、ダメと思ったらダメって結果になって沼から抜け出せない」
「じゃあ他の人に占って貰ったら?」
「それよそれ!あちこちの動画サイトみた!」
「解決した?」
「しない…」
「なんで?」
「だって動画見て良い結果20件、ダメな結果21件だったんだもん!」
「へっ?そんなに沢山みたの?」
「うん…」
「じゃあさ、ダメが21件ならダメってことで諦めるとか?」
「そんなの嫌だもん!」
「嫌とかそういうこと?」
「だってハッピーエンドがいいじゃない!」
「ねぇエムちゃん…」
「何?」
「それって占いして貰う意味ある?」
「あっそうか!そうだよね。占いなんてあてにしないで良い結果が出るって思ってたらいいんだ!」
エムちゃんは自分で出した答えに小躍りして喜んでいる。
いやいや、占いをあてにしないなら何で41回も占い動画みてるんだ?
「ところで何について占ってたの?」
「行きたかったライブのチケットの当選結果!」
「それってもしかして、ETSのチケット?」
「うん!」
「その結果発表って昨日じゃなかった?」
「へっ?昨日?」
「昨日!私お席ご用意されたってメール来たもーん!」
「私には結果のメール来てない!」
「あれ?今回のツアーはあの貧乏生活の真っ只中で無理って言ってなかった?」
「あ…あぁぁぁぁ!そうだった」
占い以前に応募もしてないチケットの当落結果なんて分かるはずないよね…エムちゃん。
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