【完結】傘下の剣豪 ~刀に嫌われた男~
雪染衛門
第1話 光り輝く井戸の底から
ある真夏のとっぷり
超常現象とも呼べる謎の光はネットに刻まれることもなく、晴天の朝を迎える。
「おかしいな?」
餌やりを終え、家に戻ろうとする私を止める
私の家は、昔この地域を治めた
「また
スマホを取り出す。パスは“
まだラジオ体操もはじまらない時間。夏休みの朝練は遅めだし余裕ある。私はクソデカ溜息をつくと引き返すことに。
段差を越えると見えてきた、跳んだり跳ねたりの大乱闘。
「やばっ、野犬!?」
さっと血の気が引く。咄嗟に
「こんのやめろっ」
何羽食われたかな……。サイアクが頭の中ぐるぐる、全身をじんじん駆け巡る。
「……え、
思わず声が出る。なんかおかしい。竹箒がビクともしない。少なくとも野犬じゃない。高速で目を
相変わらず背を向けたまま、伸ばした片手で
「何食べてんだっての」
やっと振り返る不審者。ハムスターみたいに頬っぺたを膨らませたまま、意地でも
ボサボサ頭から申し訳程度に伸びる
早朝に浴びていい情報量じゃない。脳が処理しきれない。人畜無害そうな顔してるけど……これ警察に突き出すべき?
少年は口の物をすっかり飲み込むと、不審者を見る目で私に話しかけてきた。
「誰だ、お前」
「いやこっちの台詞だわ」
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