4-5 メンフィス一家

 私はトロンペンの街から南下し、海の方に向けて行くが広大な森の近くの三つの街の一つが、ベルフリーデンらしい。

 ベルフリーデンには、異世界人が広めた喫茶店メニューや喫茶店が在るらしい、それは他国にレシピを秘匿してるらしい、他国の冒険者が何回も来たく成る様にする手口らしい、因みにシャロさん曰く「ナポリタンが、美味しいらしいですが………パンの柔らかさが、国内随一と噂に聞きますよ」だそうだ。

 

 日本人好みのパンの質に、この異世界に来た日本人が魔改造した可能性が高い情報だ、しかもブラックコーヒーは日本人以外保々飲まないから、それを広げたのはたぶん転生者かも知れない………私は、ブラック派ではないが。

 

 地図でベルフリーデンと表記された場所の、その近くに在る広大な森の降下出来る場所で降り立ち、ゆっくりとベルフリーデンの街へ向かう……モンスター防御の壁の中は、結構賑やかで木組みの街並みが広がる。

 

 いわゆるフランスのアルザス風、の建築に近いファンタジー感溢れる木組みの街並みだ、石畳は綺麗に整地され歩き易くしかも鉄支柱らしき街灯が、普通に在る大通りを歩きながら暫く歩くと、ハーブティの専門喫茶店が目に入り入ると、メイド姿の美少女がやたら多い店だったが、客は女性が大半で男性客の姿は………私以外見えない。


 あと何故かこの街のは美男美女率が、異常な位高い………店の奥に居る経営者以外普通に、紳士なロマンスグレーなお年寄りですら、普通にモテるレベルだ………まあ地球ならね。


 店の奥に居るゴツイ筋肉マッチはさて置き、一応青紅茶? たぶんバタフライピーティーと思われるハーブティを頼んだ、他にはこの異世界のクッキーを食べて地球のと違いを確認する。

 サクサクとしてるが、何かバターの風味がやや薄い気がする、あと地球の市販の海外のではない国産のに比べると、何か物足りなさを感じる。


 某パクり国のクッキーより劣る感じだ、まあパクりだけにそれで終わりな国だけどね、まあ異世界の場合はパクりと言うより何か作る工程の材料が、あと少し物足りなさを感じる。

 私は味が少ない、塩味とかの焼きクッキーが食べたいわけではない、甘くてミルク味やバター風味香るクッキーが食べたいのだ。


 まあ不味くはないが、日本のメーカーの美味しくしっとりしたあの味を知ってると、物足りなさを感じてしまう。

 まあ知った経験はかせるので、問題はないのでと思ってたら青紅茶に間違えて、キムネバ・シルベスタが茶葉にうっかり入れたらしい、アレ? 甘味少し感じたけどな。


「申し訳ありません」

「家の旦那の失態は、お代を半額にしますからご勘弁を………」


 この店の店長と名乗る女性と、ゴツイ筋肉マッチは夫婦らしい………美女と野獣な夫婦だが、旦那さん意外に好い人だったので半額ではなく、異世界人の喫茶店メニューが在る喫茶店を聞くと。


「それなら、ジェラール爺さん所のCafe・Rabiddoカフェ・ラビットだろうな」

「ジェラールマスターが、病院で目覚めないまま入院してる喫茶店よね?」

「そうだ、孫娘達が切り盛りしてるが不思議と客は少ないが、何故か潰れない不思議な喫茶店のな」

「確かに」


 どんなヤバい喫茶店何だよ! 私は、場所を聞き大通りから少しお着きの在る裏道の繁華街を通り、更に味のある立体交差の一角に見えた木組みの喫茶店、確かに黒く塗装された鉄のアンゴラうさぎ的な英語の看板には、『Cafe・Rabiddo』と表記されている。


「………何故に英語?」


 私は確めるべくノブを握り、懐かしい喫茶店のベルの音と共に店に入った。


「いらっしゃいませ」

「いらっしゃい……ませ」


 青味のある二人の美少女が、暇そうにカウンターに居ながら挨拶をする、片方の背の低い女の子は眠そうだけどね。 そしてカウンター近くにアンゴラうさぎらしきのが居るが、万能鑑定がアレは人間の魂を宿してる、早く魂をお互いに戻さないと危険と万能鑑定が警告するが、たぶん今二人に言っても通じないきがする。


「モニカ、少しは元気に言わないとダメだよ」

「モカお姉ちゃん、張り切ってもお客さんは増えませんよ」

「また屁理屈を言う!」

「事実です」

「やれやれ…………」


 アンゴラうさぎが溜め息をしながら言うと、モカお姉ちゃんと言われてたミディアムハーフロングの美少女が周りを見渡す。


「今、お爺ちゃんの声が!!」

「まったくモカお姉ちゃんは、そろそろ気付こうよ」

「? 何に」


 モカて美少女だけ、アンゴラうさぎが話したとは気付いてない、まあこの子達がさっきの話しに出た孫娘達なんだろう、そして病院に寝てるらしい筈のこの店のマスターの魂は、このアンゴラうさぎの中に居るらしい。


 そして店の一角には、何かヤバい感じのパンらしきのが在る、チョコらしき溶けた目にパンの中身がはみ出したジャムは、真っ赤な血の様だ…………普通の食パンも見えるが、何かのパンはグロテスク過ぎる見た目だ。


「それよりもモニカ、久々の新規のお客様だよ」

「よく今のやり取り見ても、帰らなかったのが不思議ですね」


 私は溜め息をしながら、モニカと呼ばれた少女に聞いてみた。


「お爺さんが眠ってる原因て、心当たり在るかい?」

「お爺ちゃんを知ってるの?」


 何故か万能鑑定さん、この異世界では規制が緩いのか? 何故か、アンゴラうさぎの中身の人物の名前を公表してる、しかも二重に………片方はこの世界の名前らしい、ジェラールと言う名と、もう一つは石田武いしだたけしと頭上に表記されてる。


「まあ知り合いではないが、鑑定眼が在るので名前が見えるのでね」

「レアスキルだ!」

「たまに商人さんやバイヤーさんが持ってるスキルだ!」


 同時に姉妹揃って言わないでくれ、内容がまったく違うから。


「違うよモカお姉ちゃん、商人やバイヤーさんは持ってるよ」

「違うよモニカ、冒険者とかて昔お爺ちゃんが言ったよ」

「言ったな、面白半分にな」

「ほらね………アレ?」


 何かに気付き、壊れた人形の様にギギギと首を動かしながら、アンゴラうさぎの方に向くモカさんは怯えた目で見ながら言う。


「もしかして心愛ココアか、らたまにお爺ちゃんの声がするのてまさか………」


 モニカちゃんは眠そうな目で、モカさんに真実を告げる。


「お爺ちゃんだよ、たぶん眠ってるお爺ちゃんの中身はココアだと思うよ」

「ぐひぇ~!!」


 胸に両手を繋ぎ、モカさんは倒れた……泡を吹いて。


「店員のお姉さんは、ショックの余り死んだ様だ」

「勝手に殺さないで!」


 意外に復活は早かった。


「………モカお姉ちゃん、生きてました」

「モニカ、私を勝手にお客さんと一緒に成って殺さないで!」

「やれやれ、騒がしい孫姉妹じゃわい」


 呑気に言う当事者のジェラールさん、まあアンゴラうさぎの姿でシリアスに言われても困るけどね。

 一応何故入れ替わったか聞いたら、掃除中にカウンターから落ちて来たココアが後頭部に直撃し、目覚めたらアンゴラうさぎのココアを身体が入れ替わってたらしい。


「何度かお爺ちゃんの頭に、心愛を押し当てたりしたのに、戻に戻りませんでした………」

「モニカ? アレって、お爺ちゃんと心愛使って遊んでたと思ってたよ」

「………モカお姉ちゃんは酷いです、そう思いますよね…………お客さん」


 何故か私に同意を得ようとしてるが、たぶん押し当てた程度でどうにか成るのなら、この世に奇跡も摩訶不思議も起きないと思うぞ。


「私に同意を期待されてもなぁ~」

「お客さんも酷いです、しくしく…………」

「泣き真似は良くないよ、モニカ」

「…………バレました」


 女の子は色々怖い、そして店の奥からダンディーな三十代位の男性が現れた。


「珍しく賑やかだが、お客様に席に案内してないとは感心しないな」


 どうやら姉妹の父親らしい、因みにその父は…………


「やっと起きて来たか、夜の為の仮眠と言っても寝過ぎだ!」

「オヤジ煩い………てオヤジ、普通にお客様の前で喋ってるだと!!」


 今頃気付いたのかと、中身が店のマスターであるジェラールさんが呆れ顔で見てた、たぶん呆れ顔に違いない………ウサギて表情が分からんからな。


「それよりも、右斜め四十五度から、ココアをお爺さんの頭にぶつければ良いのでは?」

「ワシは家電では無いわ!!」


 三人はジェラールさんの言葉に、困惑や疑問顔で言う。


「家電?」

「家電て何、お爺ちゃん」

「オヤジ、前世の物を言われても困る」


 このネタが分かるなら、私よりも年配の年齢知識て事だな………確実に昭和生まれは確定だ。


「それよりも、早めに目覚めさせたら良いのでは」


 一応早めに魂を元の身体に戻す事を提案し、モニカちゃんがアンゴラうさぎを抱えて走り向かった、一応四十五度の位置を教えてからだが。


「アレで本当に戻るか、モカ一応モニカを追いなさい」

「は~いお父さん」


 こうして看板娘が居なくなり、色々知ってそうだが私はそれよりも異世界のメニューを食べに来たのだ、因みにメニューを見れば普通に日本の喫茶店メニューのナポリタンや、モーニングセットやパンケーキセット等が有った。


「日本の喫茶店メニューだな」

「親父が日本人の転生者だ、


 何か勘違いされてるので、まあ隠す必要性も無いし話した。


「私は普通に日本人ですよ、転生は全くしてませんが」

「…………ハイ?」


 理解出来なかったらしく、鳩が豆鉄砲を食った様にフリーズして居た。


「まあ此方の異世界とは違う場所の異世界から、招待されて色々な異世界の食材や食文化や味覚等を調査や、店で働く人材を探してるのですよ」

「…………色々理解不能なんだが………」


 一応まだ名乗って無かったので、アンナとシャロ……家のねに名刺を作って貰った、一応どんな世界でも扱える文字に変わる魔法が施された名刺だ。


「私は史郎猫街です」


 名刺を渡し、向こうは名刺を受け取った後名乗る。


「此れは親切に猫街さん、私の名はロイド・メンフィス……一応昔はこの国の諜報機関に所属して居た、モニカが産まれたのを機に親父に仕事を教わりながら、今は親父の代理店長をしてる………」


 握手を交わし、一応ロイドさんには奥さんともう一人娘が居るらしい………リア充爆発しろ。


「美少女娘が三人とは、リア充爆発しろ!」

「リア充とは何かは分からないが、爆発はしたくはない」


 モテるイケメンぽいし、本当爆発して欲しい。


「私は息子も欲しかったのだがな」

「私に言われても知らん、奥さんに拝み倒せ」

「妻も欲しいとは言ってるが、お互いに忙しくてな…………この頃ご無沙汰なんだ」


 畜生…………私なんて、二十年以上異性とご無沙汰何だよぉー


「やはり爆発しろ!」

「さっきより、殺気が強く成ってないか?」


 只の羨ましい妬みによる殺気だった。


「まあそれよりも、何か注文してくれ」


 史郎は迷いなく言った。


「可愛い彼女を下さい」

「家はそんな店ではない」

「冗談だ」

「………何となくだが、冗談には聞こえなかったぞ」


 実際半分は史郎の願望である。


「あと娘はやらんぞ、娘が合意なら経験はさせてやりたいが」

「何の?」

「男女の行為だが」

「?」


 史郎は知らない、この世界は処女や童貞の概念が低く普通に経験は十歳からでもしてる、日本の倫理観がまったく通用しないので、盛り上がって地球から召喚された人間でも致してしまう世界、それは地球の女性には貞操の危機でしかない、とある刻印をお腹に教会でされない限り。


 因みに刻印により、地球の殆どのその系の病気は回避されます、内臓や脳等のガンは有っても、女性特有の癌は回避出来ます。

 因みに男性には病気回避は有りません、治療する薬草やポーションは在りますが、高価で大抵成るのは違法な娼婦通いか盗賊や非衛生的な者達だけである。


「異世界人だから知らないと思うが、我等が住む世界は普通に恋人同士でも行為を許されてる、まあ異世界人にしたら『倫理観どうなってるんだ』と、叫ぶ人間が多いらしい」


 確かに倫理観どうなってんのだか、だが男からしたら夢のエデンだよな………普通に、異性と経験が許された世界なんて。


「私は妻以外とも、結構言い寄られて経験したもんだ」

「アンタの経験談は要らんよ!」


 あとシャロさんと、フリージア嬢が私が異世界人と名乗った後、微妙に鼻息荒く成ったのは異世界人が珍しかったから、経験を合わせて興味があったて事かな?


「あと異世界人は、この世界では貴重な遺伝子と存在だ」

「何かシビアに、エロネタも混ざってるぞ!」

「エロではない、異世界人の遺伝子は基本我々にしたら、強い子供が授かれる可能性が高い存在だ、しかも魔物が普通に居る世界では異世界人の遺伝子は、我々にしたら貴重なんだよ」


 何だか分からんが、私は種馬でもそんな能力…………有るかも知れない、一応女神様達に色々貰ったからな、だが別にガリレオさん達の世界の住人と結婚させても良くない?


 史郎は知らないが、ガリレオ達の世界と、この世界の異性が結ばれてもまったく変化はないが、史郎や他の世界の王子や姫は変化をもたらす。

 因みにこの世界の姫の一部は、史郎に一目惚れし易い体質であるが先に他の存在に、もう出会ってる為一人ある姫だけはもう出会う事はない。


「他の異世界人に頼んで下さい」

「まあ私も、おめおめと娘を差し出す気はないが」


 史郎はこの後、とある運命の嫁に出会う為、ハーレム結婚はしないそうはしないのだ。


 異世界の常識話は聞いたが、まだ本題は済んで無いので一応トーストと、ミルクカフェラテを頼んだ。


「異世界人なのに、ブラックコーヒーではなくミルクカフェラテとはな………」

「私は見栄や何かでブラックコーヒーは飲みません、私が飲めるコーヒーを飲むだけです」

「そうなのか?」

「そうです、異世界人全ての人類が、ブラックコーヒー好きでは無いのですよ」


 何か腑に落ちないて顔で、ロイドさんはカウンター奥に行き準備を始めた、因みにあのグロテスクな物体はやはり菓子パンだった、因みに名前はココアパン………パンにペットの名前を付けるのは、どうかと思うよ…………。


 因みにバターはいい匂いだが、何か微妙にバターの旨味の深みが薄い気がする、ミルクカフェラテは普通に美味しかったし、パンは職人の腕が良いらしく店に欲しいレベルだった。


「このパンを焼いた職人が、我が店の職人として欲しいですね」

「家の娘が焼いたパンだよ」

「…………またまた、嘘は良くないですよ」

「イヤイヤ、モカは小麦の料理に限ってだけ、才能を発揮する天才なんだ」


 いやいや普通、そんな片寄った才能…………異世界だったな此処。

 まあ最悪白鯨の店と提携して、家の店にもパンを卸して貰おう。


「娘さんを家の店に下さい」

「…………パンしか作れないが?」

「パン職人を探してたので」

「うむ…………モカ次第だな」

「此処から通える様にもしますよ」

「異世界に我々も行けるのか!」


 何故かノリノリなロイドさん、何故にそんなにノリノリなんだ?


「まあ異世界と言っても、白鯨の異空間ですがある程度調査や食材集まれば、此処とは違う世界の街で喫茶店を開く予定ですよ」

「うむ、興味深い………」


 何かを考えてるロイドさん、まあ私はまだフリージア嬢に勧められた、隣の王様に会うのは後回しにしてパン職人と給人が揃った場合、まあ給人はあと数人欲しいから住み込みの店員募集は、確かガリレオさんに頼んだ様な…………頼んでなかったけ?


 まあ現地の人材育成も必要だし、まだまだ異世界の店を開店させて経験を積んでから、ウィールデンの喫茶店をオープンだ。

 何か師匠達が満足してるし、問題は無いと思うがそれはそれ此れは此れだ。



 そして数十分後、目を覚ましたジェラールさんの吉報をスカート姿で、走って帰って来たモカさんはパンツ丸見えだったと言っとこう、この日以降モカさんは恥じらいが無い看板娘と認識され、我が白猫カフェに新たな従業員が加わった。


「私はモカ・メンフィスだよ」

「私はシャロ・ローデンスよ、宜しくモカさん」

「此方こそ、シャロさん」


 ミシミシ……


 何か二人から変な音がした様な。


(手が痛い痛い………何て握力よ! )

(痛いよシャロさん、あと色々負けないからね)


 こうして白鯨に在る、色々な世界のお客が来る喫茶店の店の従業員は、更に増えそして色々な客が訪れるのだった。


 次回に続く。


 ・石田武


 元日本人の官僚等を相手にした、商社の営業マンでありとあるテロ事件により、今の異世界に転生した日本人である。

 因みに嫁は一人と成ってるが、実際は二人の妻が居たが流行り病により一人は妊娠中に死去した、因みに産まれてればロイドと二人で国を変える程の活躍をしたかも知れない逸材。


 因みにもう一人の妻は、五十代で癌で亡くなってるが地球よりも医療の知識が乏しく、魔法頼りな為癌治療の知識に欠けている、因みに流行り病はパンデミックのインフルエンザであり、地球より毒性が強く対処が遅れた為助からなかった。


因みに開店資金に其なりにお金を使った為、治療費と医療魔法等の治療所がパンクしてた為、助からなかった。


 

 

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