第4話 ご飯が炊けてない

私の体と思考が今炊飯器の蓋を開けたまま固まっている


一時間前に米を研ぎタイマーを設置した記憶がある


なのに炊飯器の中にあるのは


少しだけ水を吸った硬いままの米と


少しだけ白く濁った水


ああ、私は忘れたんだ


スイッチを押すという最後にして最も重要なの工程を


普段より力を入れて作ったおかずが悲しげだ


鍋の肉じゃがが甘美な香りを放っている


早炊きで炊こうか


パックご飯を買ってこようか


大変だ大変だ

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