午前二時


 終電はとうに高架線も駆け抜けて

 ホームにきまり悪そうに漂う

 なけなしの人気の名残と夜風が

 愛想の悪い蛍光灯と時折苦笑いを交わしてる


 眠い目をこすりながら

 君が担がれ担いできたテレスコープ

 「帰りは一人じゃ無理じゃない?」

 脆い何か手繰り寄せるように

 君との時間を引っ張ってみる


 街灯の灯はまだ寝ずに

 誰かの訪れを待ってる

 来ても留まりやしないのに

 眠ることも許されぬまま


 微かなのに確かに聴こえるのは

 星たちの噂話

 煌めいて、瞬いたり

 微笑ったり、囁きあって

 目をつぶる


 届かないものに近づこうとして

 無理矢理、星を招き寄せた

 虚像だけを瞳に放り込む

 誰かさんの強がりみたい


 探しあぐねた「本当」は

 星も、君さえも教えてくれなかった


 流れ星を待ち望み

 ようやく言えた1つだけの

 想いは星に連れられて

 君の夢が喰らうのだろう


 それじゃ、ね

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