今どきの人は現実より絵を見る時間が長い気がする。他ならぬ自分がそうだ。絵は当然目があってこそのもの。だとするなら目は絵の親も同然で、全ての絵は目に執着しているのかもしれない。そんな話。
とある画家が描いた絵が意思を持ち、独白する作品です。その独白が不気味な感じがして、妙な迫力があり、とても怖かったです。
画家が描いた絵は、ずっと画家を見ていた。画家の目を見ていた……。ただのホラー・サスペンススリラーだけには留まらない、美しい文章から紡がれる、とある画家と、未完成の絵の一幕。是非、ご一読を。