第7話 ダンジョン学【魔力による影響】

「——その為、ダンジョンが生まれてから世界の溢れ返った魔力は人類に多大な影響を与えたましたっと。

 ここまでで分からないことはあった?」


「……無さそうね。それじゃあ続けていくわよ。

 この魔力の影響についてなのだけれど——」


 現在、ダンジョン学の授業中であり、内容は「ダンジョンと共にもたらされた魔力について」だった。


 どうやら魔力自体はダンジョンの最深部……更に言えばダンジョンコアからもたらされて居るらしく、この魔力と言うのは一般的に普及して居るネットや電波と言う通信機能に欠かせないものを完全阻害するらしい。


「ただ、ここ数年で科学者にとって魔力を介した通信方法が確立されたの。

 今は仮名称としてDネットで、魔力を介しているお陰でダンジョン内でも通信が可能になっているわ」


 俺たち兄妹の家がダンジョン化して通信系が全滅したのは魔力の所為であり、それを解決するにはDネットか、あのダンジョンマスターの便利機能である電波・ネット機能の開通をしなければならない訳だ。


 当初はなんとかDネットを買う予定だったけれども、その予定は即座に辞めた。その理由は——


「分かっていると思うけど、Dネットって言うのはまだ開発されたばかりの新技術なの。だから高い……物凄く高い。

 私達教師が買えば数年間はもやし生活をしないといけないほどにね。

 しかも年々ダンジョンに潜る人は増えているし、ダンジョンでの行動を配信するのが流行ってるから需要も上がってるの……正直一般市民には手に付けられない代物だからこれ以上の事は各自で調べてね。


 それじゃあ次は人体への影響についてなのだけれど——」


 クッソ高かった。

 いや本当に手もつけられない程に高かった。一部企業勢の配信者が「ダンジョン配信っ!」と言うサムネを掲げて配信して居るのがサイトで流れてくる事もあり、なんとか手に入るのかなと思えばそうじゃなかった。


 正直DPを貯めた方が早いと思う。


 次は人体への影響についてか……これh飛鳥とかの獣人の誕生にも関わって来た筈だ。


「魔力が人体に与える影響は色々あるけれど、皆にとって1番身近なもの……それが【種族の変化】ね。

 親・兄弟・友達・クラスメイト……いろんな所で見かける獣人はこの魔力の影響を強く受けた個体なの」


「胎児の時に強い魔力を受ければ獣人になるし胎児の頃から強い魔力抵抗があれば魔力を受けても人間のままなの。

 そして獣人の獣部分は完全にランダム……って思われてたけど、これもつい最近の研究で明らかになったの。


 新たに発見……もとい区別が作られたのが、【動物性魔力】。いわゆるウルフとかのモンスターが放っている魔力ね。

 ウルフ系の放つ魔力を強く受ければその子は狼人に。ドラゴン系が放つ魔力を強く受ければその子は龍人になるわ」


 胎児の頃に影響を受けたが故に獣人になってしまう。これが発見されたのも割と最近であり、獣人が生まれ始めた当初は呪い子だとか、忌子、挙げ句の果てにはダンジョンを生み出した元凶だとか言われて迫害されていた。


 今は一部の宗教とかが獣人の人権否定を掲げて居るくらいで、世界的には獣人と人間は同じ種とされて居る。

 だから飛鳥ものびのびと学校に登校できて居るわけだ。


「【動物性魔力】と言われる様に、【植物性魔力】も存在して居るとされて居るわ。

 今はまだ確認されていないけれど、木のモンスターであるトレントとか、花のモンスターであるアルラウネも居る事から木人や花人がいずれ生まれるとされて居るわ」


 そう言えば獣人が生まれた時に迫害していた団体と、仮想の存在である獣人が出現した事により大歓喜して溺愛したネットに生きる民達が大抗争を起こしたことがあるらしい。


 魔力の影響によって獣化度合いが変わる獣人を支持したケモ耳好きやケモナーはあまりにも多く、迫害されていた獣人の多くは手厚く保護されていたらしい。


 今でも獣人激萌え団体と名を変えて不貞な輩共から獣人を守って居るらしい。

 ちなみに飛鳥はこの獣人激萌え団体に助けられて、更にはお姉様方に撫で回されたらしい。


 ……鼻息が荒くて団体の人達の方が怖かったのだとか。何やってんだよ獣人激萌え団体。


「他にも魔力による人体への影響はたくさん出ているわ。

 例えば、ステータス。特殊な機械で測れる数値の事で、この中で測った事がある人も居ると思うわ。

 計測して出てくる数値はレベルと攻撃力と防御力。それとスキル……この四つと更に全てを総合して判断した総合戦闘力で測られるの。


 この中でもレベルとスキルと言う概念は魔力の影響を受けた全人類が発現させた力で、レベルが上がってスキルを覚える……なんて言うゲームにありがちな仕組みとなっているわ。原因はまだ分かってないわね」


 このステータスに関してなのだが、実は俺と陽毬はダンジョンマスターとなった瞬間に同じステータスとなってしまっている。


 それに、レベルと言うのも無くなっており、あるのはダンジョン詳細にて見れる【マスター強化値】のみだ。

 スキルに関しては今ダンジョンに居る【自分に近しい種族】のスキルを使えるらしい。

 ウチのダンジョンにスキル持ちは居ないのだけれども。


 ちなみに特殊な機械を使わないと見れないはずのステータスはダンジョンマスターの便利機能で見ることが出来た。DPの支払いもせずに。


「実質、魔力によって人間は進化したわ。

 レベルと言う概念が生まれ、身体も頑丈に。更には免疫力の向上も見られて、昔に存在していたインフルエンザのA・B・C型なんて今では見る影なんて無いわ。


 これが、人体に及ぼす魔力の影響ね」

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