自転車旅行記楽しませて頂きました。
私は現在AIが小説を書けるかいろいろ試し、その可能性に驚いているんですが、この旅行記・自転車旅行記は将来もAIは書けないなと思います。コースは辿れるでしょうが、そこに旅行者の人間生理を組み込んで、しかも、わざとでなく迷って(そもそもわざと迷う人はいない)、転倒して、空きっ腹に、喉の渇きに、睡魔に、疲労に襲われて、ある時は願望欲望に促され、ある時は願望欲望を抑え込んで行動する。それはAIには書けない、書いても嘘っぽくなる。そして体験談は強いです。その場面を詳細に描く必要性があれば、実体験は即座にその場面にあるべきものを教えてくれます。そしてAIなら、ここではこう思ったという、本来脈絡の無い話は書けないのですが、体験してる人は、それがその通りだけあって書けてしまう。
AIでは書けない話をありがとうございました。
こちらは年末年始、千葉から岡山へ自転車だけで向かった筆者さまの、ロマン溢れる七日間のひとり旅の過程が詳細に書かれた旅行記です。
誰しも一度は憧れる、足や自転車を使った旅らしい旅! かつて新幹線や車がなかった時代の人たちは、こんな風に何日もかけて野宿しながら、県と県を移動していたのでしょうか。読んでいるだけでわくわくしてきます。
旅のルートはその都度状況を見て決めていき、日が暮れきる前には野宿ポイントを見定めて、時折同好の士と言葉を交わしながら、道中で神社仏閣、古墳など、日本の歴史や宗教に関連する地を巡っていくひとり旅。カフェインの使いどころをまるで回復ポーションのように見定めつつ、確実に旅路を進んでいく様子や、筆者さまが肌で感じた各地での感覚を追っていると、心が躍ってなりません。
SNSを開けば地球の裏側の人とも一瞬で繋がれて、情報集めはAIの力を借りれば一瞬で済み、見たい場所の写真も動画もいつでも見られるこの時代、ちょっと手間のかかることをしているだけで、何の意味があるの?何でそんなことするの?と聞かれることは少なくありません。
けれど、そうやって時間をかけて何かをする過程にこそ、得がたい面白さや自分だけの忘れられない「最初の体験」との出会いが待っているのかもしれません。何があなたをそうさせるのかなんて、ロマンがあるから、面白そうだからだけで十分すぎるほど十分な理由なのだと、この旅行記は教えてくれます。
自転車の旅に興味のある方、誰かの旅を覗くのがお好きな方は、ぜひぜひ読んでみてください!