第11話 大量のプレイヤー

「おおー、もう50人くらい来たんじゃないか」


門の近くで買い食いをしながら入ってくるプレイヤーを眺める


「やっぱり、王に話を通しておいてよかったな」


正式リリースが始まる1週間前(この世界のだが)ほどに

この国の王に話を通しプレイヤーならば審査なく国に入れるようにしたのだ


「メニュー」


そうつぶやくとステータスと同じような表示の仕方で

少し透明なボードが出てきた


_________________

ストレージ  0/30

ランキング

スキル確認

フレンド

お知らせ

設定

ログアウト

所持金 合計:大金貨10000枚

_________________


所持金が国家予算の10倍とかインフレ具合がやばいな

まぁこれでも銀行やギルドに預金しているので一部だけなのだけど

少し淡い光を放っているお目当てのところを指で触れる

すると


ランキング

一位 UNKNOWN

二位 蝦夷鹿

三位 豪羅

四位 燈火

五位 凛華


とあった、もちろんUNKNOWNとは俺のことだ設定で匿名にしてあるからな

っていうか中二病多すぎない?

これじゃあギルドで作れるクランも中二クランばっかになっちゃうよ

クランが作れるのが大金貨三枚からだから

ゲーム内でいうとソロなら一か月くらいで貯まるか?

パーティーだと配分になっちゃうからな


ランキングを見ながらそう考えていると門のほうが少し騒がしいと感じて

目を向けると門番のヘイムダルと腰にグリップが擦れて消耗した短剣を身に着けた二人組がいた


「ここは、無条件で通れるんじゃないのかよ」


「いや、知らないですよ、あの森から来た人たちが審査なしで通ってたんで」


陰でこそこそ二人で話しているそこに


「これ、違法薬物だろこっちは禁止されている魔道具誰に売ろうとしていた」


そういってヘイムダルが語気を強めながら威圧する


「い、言えない」


「何故だっ」


「い、言えないんだ」


「それじゃあ、これからは天を拝むことなく死んじまうんだろうな」


そうヘイムダルが少し魔力を放出させながら言うと


「こっここの貴族だ、ほら言ったぞ早く門を通してくれ」


汗をにじませながら急かすように言うその顔には少しの焦りと不安がにじみ出ていた


「これを持ってきた時点でお前らはそもそも逮捕だからな」


「で、でも多少は罪が軽くなるんですよね」


「んなわけないだろう、この国の民を危険にさらすような連中をすぐ釈放

するようじゃ、治安が一瞬で崩壊してしまうだろうが」


「で、でもさっき罪を軽くするって」


「そんなことは、言ってないぞ」


「でもさっきのはそういう意味なんじゃないのか」


「ただ単に事実を言ったまでだ」


そうして引きずられていった悪党?を眺めながら

さっき言っていた薬や魔道具の密輸なんてする貴族なんていたのかと記憶を探る


「あ、一人だけいたか、名前何だったかな、ボ、ボ、ボルケーノ?

そうだボルケーノか」


そうしてある場所に転移をする


「な、なんだこいつ!おい警備の奴らサボってるだろふざけるな!」


そうしてため口が抜けない坊ちゃん気質の貴族ボルケーノの家へやってきたのだが


「貴様っ今すぐ殺してやるからな、おい誰かいないのか!」


だいぶ重度の様だ


「おっさん、てめえ違法薬物の件知ってるか?」


「な、なんで知ってる?」


「カマかけたんだが、すぐに引っかかったな」


「本当にふざけているのか、僕は貴族だぞ!」


「それ、王様にも言える?」


「どうして、今そんなことを言うんだ」


「俺、王様とかなり深ーい知り合いなんだよね~」


三日後、かつて戦闘の分野において国の蒼き希望とまで言われていたボルケーノ家が一夜にして消滅した

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