第6話 昇格試験

ギルドに戻り試験に備えて準備をしていると横でダリアとマーチさんが恐ろしい会話を始める。


「ダリアさん、さっきのお店と、最初に行ったお店どっちが好みだった?」


「私は、両方とも好きかな。後、フルーツを盛り合わせた物も食べてみたい。パンケーキは無限の可能性を秘めてるわぁ」


「よし、来週の私の休みにパンケーキのお店をはしごと洒落こみましょう。


私もここまで趣味が会う人がいてくれると嬉しいわ」


パンケーキのはしご?


何故あんな甘ったるのをはじこするの?


って言うかあれを何個も食べれるの?


「マーチさん約束よ。私も頑張って依頼こなすから」


あ、あかん。2人とも手をつないで目が♡になってる。


そっか、その日は別行動すれば良いだけじゃん。俺、流石!! やっぱ天才。


「お兄ちゃん」「タツキさん」


「「まさか、私達に付き合わないようにしようとか、思って無い?」ませんか?」


恐怖の余りフルフルと首を振って否定しておいた。


だってあの2人の目が怖いんだもの、やばいよ。行かないって言ったら、す巻きにされて川に流されそうな気がしたんだもの。


どんなモンスターやどんな強者よりも今はこの2人の方が怖いです。


試験の時間が近づくと何処からともなく人があふれてくる、今日の試験は俺達を会わせ10人いるらしい。


そこに1人の冒険者が来た。


「試験を受ける奴! Fランクの昇格試験を受ける奴は前に集まれ。これから試験内容を説明する」


俺とダリアも並んで話を聞く。


「俺は試験官のAランク冒険者で名をダラザニアと言う。


試験内容は2つで、一つは俺との戦闘試験。もう一つは魔法の的当てだ。

魔法使いは先に申告してくれ、戦闘試験から外す」


そう説明があった後、試験会場の壁際まで戻る。


「よし、始める、一番最初ダリア ビンセント。出てこい」


「ハイ」


ダリアが返事をして前に出る。


「ダリアちゃん頑張って」


マーチさんが何故かダリアに声援を送り、ダリアも振り向いてガッツポーズを取る。


試験官のダラザニアが剣を構えたダリアをみて満足気に頷いた。


「今年は粒ぞろいだな」


そう言うと試験が始まる。ダリアは上手くダラザニアの剣を避けスキをつくように攻めていた。


およそ5分経ちストップする。結局攻撃を当てる事は出来なかったがその場で「合格」とダラザニアが言った程の結果を出した。


それから次々と試験が終わる。だが内容は散々だった。両手を折られしまった者、両足を折られた者、頭部を骨折して余りの恐怖に心を壊した者等が出始める。


この試験はあくまでもGからFに昇格するための試験なはずだ。


なのに何でこんな横暴な試験をするんだ? 

そこまでする位ならもっと鍛えてやってから試験をすればいい。そんな怒りを覚えていると、俺の試験が始まる。


「さて、本日最後の試験だ。タツキ ムルシア。出てこい」


俺が前に出てダラザニアと対峙する。


「お前はやはり別格のようだな。今日の試験はFランクの昇格試験だったはずだがな」


そこに何故かマーチさんが来た。


「私が見極める。2人とも真剣を持ちなさい」


は? 何をおっしゃるのかな、このお姫様は? 私が見極める? 何を?


それも真剣を持ちなさい? てか、あの人Aランクで俺はGランクの一番下っ端よ。


おいおい、ダラザニアの奴、真剣を出しやがったよ。

「おい、タツキ。お前も武器を出せ。ここからは本番だ」


不味いぞダラザニアの奴、目がいってやがる。


本当にこの世界の奴らは命のを軽んじていやがる。さっきの木剣ですら、やられて冒険者ができなくなった受験者がるいと言うのに今度は真剣か?


何で上手く出来ない奴に復帰のチャンスを与えてやらねえんだ、段々と腹が立ってきた。


マジックバックから、俺専用の剣を出し、怒りを待ったまま構える。


ダリアの声が聞こえた「お兄ちゃん、駄目だよ!!」


だが、そのダリアを声をスタートの合図にお互いが攻める。


ダラザニアが余裕をかまし緩く構え攻めてくる、そこに漬け込み小手に剣を叩き落とす。


ダラザニアの両腕があらん方向に曲がっている。いかに刃物でも斬らないと思って真下に刃を当てると腕は丸々切れる事はない。


やられた事を認識してから身体強化をかけるダラザニアを、関係なく攻め立てる。


腕があげれない事を良いことにダラザニアの鎖骨に剣の柄を当てて鎖骨をおる。


「辞めなさい!!」


マーチさんが剣を持ち試験に割ってはいって来た。そのマーチさんが出した剣と俺の剣が互いの目の前で交差して手を止める。


互いに睨み会う

「タツキさん。何をしているかわかってますか?」


マーチさんが俺に文句を言う。


「先に問題行動をしたのはお前達だろう、何故自分が同じ事をやられて文句を言う?」


「私やダラザニアが何をしたと?」


「何故、受験者の未来を奪った?


あれだけの実力差があるのに、何で腕を折り、足を折り、心まで壊した?


それで何故、俺がダラザニアに同じことをすると勇者が止めにはいる?


逆だろう!! さっきの試験の最中に勇者が止めに入るべきだろう。


悪いが俺に取っては ダラザニアも勇者も変わらない」


「そこまでだ!! この勝負はこの俺が預かる」


そう言って出てきたのはゴリマッチョなおじさまだ。


明かに威嚇にをかけている。

威嚇はモンスターに恐怖を与えるスキルだ、そのスキルを出し続けている。


その威嚇の圧力の強さに俺とマーチさん、ダリア以外の人が口から泡を吹いて倒れてしまう。


「マーチ、お前がいながら何だこの様は?

何故もっと早く何故止めなかった」


「ダラザニア程度、いくらでも代わりがいます。わたしが何か間違えたのでしょうか?」


「いつもいってるだろう、人の命はもっと大事にしろ。


タツキといったか? 悪かったな。


ダリアと共にDランクにしてやる、今日のとこは見逃してくれ」


意味がわからん。

「良くわからない。どういう事だ?」


「こいつらの不手際は俺の責任だ。


だからお前達のランクを3階級あげて、全てのダンジョンに入れるDランクにする」


「つまり、その見返りに今日の事は何も言うな。そう言う事ですか?」


ニヤっとゴリマッチョおじ様が笑う。


ダリアは納得いなかいような顔をしていたがらここが落としどころだろう。


「わかった。あんたの申し出を受ける事にする。


で、あんたは誰だ?」


「俺か? 俺はこのギルドのマスターだ。


うお座 ビスケスのレインと言う。


このルルンダル ダンジョン都市のギルドマスターだ」


「了解した、貴方と喧嘩しても何も意味もないだろう。その申し出を受ける事にする」


マーチさんはまだ納得が行かないのか俺を睨んでいた。


「マーチ、カードの変更だ。それとダンジョンについて説明してあげろ」

ギルマスの命令に渋々といった感じでカウンターに向かう。

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