「気迫」とは彼の小説のこと

作者様は、大変今作を卑下していらっしゃるように見受けられますが、そんなことありません。

私は「気迫」を感じました。
屋上から見る空、空気感、風、柵をつかむ手の冷たさ、それからキャラクターの心の傷…

映像と五感に伝わる小説だと思います。
ああ、これが大きな賞で最終選考まで残った作品なのだと手に取るようにわかります。

なんというか「違う」のです。

そして、この作品を機に大きく作者様は飛躍されるのであろうと確信しています。
いくつかの作品を読ませていただいていますが「何かあった? 何か修行でもした?」と聞きたいくらい、以前の作品と異なっています。

(もちろん、以前の作品も大好きです。というか、前からすごかったw)

特筆すべきは、構成でしょうか。
私も教わりたいと思うほど、ここ最近の淀川作品は構成がちがいます。

是非、多くの人に読んでもらいたい作品だとおもいます。