第7話 腹ごしらえからの登校

 タブレット端末があれば基本生活できることが分かった俺は、とりあえず昼ご飯を食べに行くため。タブレット端末だけ持って食堂の方へと向かっている。

 本当は飛鳥さんの部屋で何かあれば簡単に食べるだけでも良かったのだが。飛鳥さんの部屋にある冷蔵庫内はほぼ何もなかったので、食堂へと向かうことになった。

 ちなみに病院でおばちゃんから借りた服はすでに着替えている。

 さすがにヒョウ柄のまま食堂へと行くのは、なかなかの勇気が必要だったからだ。

 今の服装はこの学園の制服。

 たまたま寝室に畳んであったものを着ている。

 そもそも今のところ室内をまだ物色出来ていないので、見つけれたのが制服だけだったともいう。

 とにかく今はヒョウ柄からブレザーの制服に着替えた。

 着替えの際。ほんのりと知らない香りがしたがとりあえずこれしかなかったので気にせず着た。

 自分のにおいというのは普段わからないが。改めて身体だけが違うというのを感じさせられた。

  余談だが。おばちゃんから借りた服はおばちゃんの香り――と、いうより。あれは防虫剤のにおいだった気がする。もちろん服を貸してもらったので文句はないが。あのにおいはにおいでなかなかだった気がする。

 まあバスで駅に着いたくらいにはあまり気にならなくなっていたが――。

 もしかして、もう今のこの飛鳥さんの身体に染みついてしまっただろうか? 

 でもまあ、大丈夫だろう。

 

 話を着替えに戻すが。今着ているのは女子の制服だ。

 俺はもともと男。

 なので、女子の制服など着たことはもちろんなかったが。意外と普通に着ることが出来た。

 もしかするとこの飛鳥さんの身体が覚えている?のかもしれない。

 ちょっとネクタイだけ苦労したが(俺の高校はカチッとはめるだけだったので、ちゃんと結ぶネクタイは経験がほぼなく。タブレット端末の検索も駆使して何とか結んだ)。それ以外は普通に着れた。

 おばちゃんに借りた服を脱ぎ。下着姿になってからカッターシャツを着て、スカート履いて。身体マジで細いな。などと思いつつ。ネクタイで少し苦労し。上着を羽織って上着のボタンを閉めたらなんとなくいい感じになった。

 洗面所の鏡で一応確認もして俺的には変ではなかったので多分これで良いだろう。

 もし違っていても「記憶喪失になってまして――」で通すことにした。

 多分学園関係者にはすでに伝わっているだろうが。

 おばちゃんですら知っていたのだから。

 ちなみに、今着ている制服。胸のところには学校の校章がある。

 青い鳥が翼を広げているようなデザインだ。意外と細かく。鳥が神々しく見えていた。翼に挟まれる方で漢字?と思われるものも書かれているが。さすがに小さくてなんと書かれているのかはわからない。

 おばちゃんから借りた服は洗濯をして返せばいいのかと思っていたが。先ほどおばちゃんが帰っていく際に、洗濯はこっちでするから着替えたら持ってくればいい。という感じに言われていたので、とりあえず軽く畳んで部屋に置いておくことにした。

 食堂で渡してもおばちゃんが困る可能性があるからだ。

 なので、食事のあと持って行けばいいだろう。


 着替えが終わった後はと食事に行くため。外へ出た。

 自分の部屋の鍵は中からは普通に鍵を開けてドアを押せば開いた。

 しかし一度閉まるとタブレット端末がないとうんともすんともしなくなる。

 本当にタブレット端末失くすと大変そうなところだ。ちょっとドア開けて気を抜くとガチャリ。そうなると毎回学園?に連絡となるのだろう。

 これはなかなか注意しないといけないだろう。でもそれくらいじゃないといろいろ防犯上?ダメなのかもしれない。

 また飛鳥玲奈が住んでいる部屋のお隣さんは多分留守の雰囲気だった。 

 または他の部屋の前はビニール傘や荷物が置かれている部屋もある中。飛鳥さんの隣は綺麗なのでそもそも入っていない可能性もあったが。今はわからない。

 ちなみに人が入っているであろう部屋も今の時間は学校があるので留守の可能性もあるが。

 特に抜き足差し足忍び足。で歩く必要がないので、部屋の外を階段の方へと普通に歩くと、まわりが静かだからか。カツカツという自分の足音が無駄によく響いていた。

「なんかみんなが授業中?なのかは知らんが。人と別行動しているの。なんか良いな」

 俺はそんな事を思いつつ今は他のアパートの横を歩いているのが今。

 そして先ほど通過した碧鸞鳳棟の前へとやって来た。

 碧鸞鳳棟は隣にあるおばちゃんとおっちゃんだったか。おっちゃんはまだ姿を見ていないが。とにかく2人が住んでる一軒家があるが。それよりかなり大きい平屋の建物だった。

 中の様子はドアが閉まっているのでわからないが入り口と思われるところに『OPEN』と札がかかっているので今の時間も開いているようだ。

 本来ならば、今日は平日。そしてお昼の時間なので、学校に行っている時間に寮の方の食堂が使えるのだろうか?普通なら学校に食堂があるのでは?だったが。とにかく問題はなさそうだ。

「――あ、そういえばオンデマンドの授業も確かあったから、寮で勉強をしている生徒もいる可能性があるからこっちの食堂も必要ってことか」

 ドアの前でそんなことをつぶやいたあと。押しボタン式の自動ドアを開けた。

 新しい学校だからか。ちょくちょく設備が新しい。

 俺の居た高校は自動ドアなんてなかったぞ。

 あと、どのような経緯でこの島に学園が作られたかはまだわからないが。というか。そもそもこんな海の真ん中にどうして島が生まれたのかも聞きたいものだが――今はどれもおいておこう。誰も聞ける人がいないからだ。

 自動ドアが開くと。ふわっとあたたかい空気とご飯や揚げ物の良い香りがして来た。

 ちなみに食堂内もまだ全体が新しい雰囲気だ。

 今は外がまだ曇っているから太陽の日差しこそ入って来てはいないが。晴れていれば大きな窓があるので室内はかなり明るい雰囲気になりそうだ。

 今でも十分明るい雰囲気だが。

 また室内はざっと見るだけでも、50人以上が座れるであろう長机と椅子が並んでいる。

 その長机と椅子もまだ真新しい感じだ。

 入ってすぐ。左手のところには、タッチパネル式の券売機があり。その券売機の横からはいくつかの種類の矢印が床に書かれている。というか。床に印刷されているというべきか。多分この建物を作った時に一緒に書かれた?

 いや、よく見ると木目調の床より少し濃い色の板の数種類使い矢印が作ってある。1つは濃い色の板で矢印があり。その他は同じ濃い板で作られているが水玉模様や斜線。星の柄がある。

 水玉模様などは床板とは違う濃い板で矢印がまず作られており。その矢印の中で水玉や星などの柄になるように周りの床と同じ色の板がくり抜いた後に埋められたようなデザインだった。そのため段差などもなく。またテープなどと違い剥がれることもないだろう。

 この矢印は多分だが混雑時に券売機で食券を買った後ご飯ものや麺類で行先が違うらしく。それがわかりやすいように床に矢印があるようだ。

 その他の室内の照明などの雰囲気すべてをひっくるめて、おしゃれなつくりの食堂だ。

 入り口から入って一番奥が受け取りの窓口らしく。エプロン姿の男性が1人いる。もしかするとあの人がおっちゃんと言われている人かもしれない。

 ちなみにやはり今はほとんどの生徒が学校に行っているようで、食堂内は誰もいなかった。

「――いらっしゃい」

 入口でキョロキョロしていると。奥の男の人が俺に気が付いたらしくギリギリ聞こえるくらいの声でボソッと声をかけてきた。

 特に視線を合わせようとはしておらず。ボソッと声をかけた後すぐに自分の作業に戻っていた。

 愛想は微妙。一瞬頑固おやじ。ぱっと見はちょっと厳つい感じ。目つきがそう見せたのかもしれないが。とにかくそのような第一印象を持った。

 でも今この食堂はこの男の人1人。他に人は見えず。多分居てもおばちゃんだろう。そもそもおばちゃんが2人と言っていた気がする。

 また今こそ誰もいないが。食堂内の椅子がいくつか動いた形跡があるので、もう少し早い時間には誰か利用したものと思われるので、この食堂内の良い香りを作っているのが男の人だと考えられる。

 つまり――不愛想でも良い人説。と勝手に今のところ認定した。

 俺は美味しいものが出てくるだろうと思いつつ。軽く会釈して券売機を見る。

 今の時間はランチらしくA、B、C、Dから選ぶ形になっていた。

 Aは、親子丼。味噌汁。おしんこ付き。

 Bは、から揚げ定食。

 Cは、中華そば。半チャーハン付き

 Dは、サンドイッチ。スープ付き。と表示されている。

 今の俺お腹は空いているが。この身体多分そんなに食べることができない身体だろうと。昨日の夜。今日の朝でなんとなく理解していた。

 そのためぱっと見一番量の少なそうなDランチ。と、思ったがよく見ると売り切れの表示が小さく出ていた。

 そのためAランチを選択した。

 内容は親子丼だ。

 券売機でAのところを選択。

 画面が支払い画面になるとタブレット端末を機械のところへとかざし支払い。

 支払い完了後出てきた紙にはAの文字と水玉模様の矢印が書かれていた。

 ここで先ほど見ていた矢印がさっそく活躍していた。

 俺は水玉模様の矢印の上を進み男の人のところへと向かった。

「お願いします」

「――――――はいよ」

 食券を出すとやはり厳つめの雰囲気の男の人がそっけなくトレーに乗ったAセットのランチを出してきた。

 いやいや、早い。超早い。びっくりするくらい早かった。

 どうやら食券を買った時点で、厨房には注文の指示が入るのか男の人の前に到着して食券を出して待ってたら。本当にすぐ親子丼が出てきた。

 親子丼と味噌汁からはおいしそうな湯気が出ている。

 普段利用する学生が多いと、どんどんさばいていかないといけないためだろうが。こんなに早く出てくるとは思わなかった。

 厨房の中がどうなっているかかなり気になったが。残念。はっきりとは見えない。

「ありがとうございます」

 トレーを受け取りつつお礼を言うと俺はセルフサービスのお茶を入れてから、窓際の席へと向かった。

 ちょうど駅方面が見えている。

 駅自体は同じような高さにあるからだろう。少し隠れている部分もあるが。その先。先ほどおばちゃんと一緒に乗って来た列車の線路が海の上に続いているのはよく見えている。また途中で別れているもう1本の線路も見えている。あれが四日市方面へとのびているもう1つの路線だろう。

 そんな事を思いつつトレーを机に置いて椅子に座る。

 その際一応今は飛鳥玲奈という女子生徒ということを忘れていなかった。

 ちゃんとスカートを抑えつつ椅子に座った。

 違和感しかないのだが。でも何故か身体は動くという。やはりこの身体そのものに染みついている行動。何かはあるのかもしれない。

 まあ俺自身も気にしていたからというのもあるだろうが。

 ちなみに別に俺的には見られてもいいので、いつも通り座ってもよかったが。制服のスカートがしわになるのもあとあと面倒かというのと。今は飛鳥さんということになっているので出来る範囲で配慮しようと先ほど部屋で決めたのだ。

 本当に先ほどである。

 病院の時とかはそんな事考える余裕はなかったが。今はもう諦めた後ではないが。今の状況を理解しとりあえず生活することにした。

 無駄話はこれくらいに。せっかくの温かい料理。食べねばもったいない。

 割りばしを割ってまず一口。

 予想通り温かい。そしてふわふわの卵とうまみたっぷりの鳥肉が美味しい。

 七味唐辛子とかも合いそうと思ったが。この机のところにはそういうものはなかったので、今日はそのままの味を楽しむことにした。

 そういえば昨日から鳥ばかり食べている気もするが。まあいいだろう。美味しければいい。それにこの身体細過ぎるからとりあえず食べていればいいだろう。

 ちなみに完全に貸し切りの食堂。 

 俺が箸を使い食べる音やお皿などの音が良く響いた。

 他に学生がいないから注文もないのだろう厨房も静かで、たまに水の音がするくらい。 

 ちょっと静かすぎだが。まあいいだろう。その中で俺は黙々と食べた。

 ――話し相手が居ないのは今までも同じ。見た目は違えど変わらない日常だ。

 時たまに後ろから視線を感じなくもなかったが。こんな時間に食堂に来る学生が珍しいからだろう。


「ごちそうさまでした」

 予想通り。少なそうに見えていたが。食べてみるとこの身体ではちょうどいいくらいの量だった。お腹を触ると少し膨らんだ気がする。と、言ってもまだまだ細いが。

 特に急ぐ必要も今のところないため。少し外をぼーっと見つつ。お茶の残りを飲み干してからトレーを返却口へと持っていく。

「ごちそうさまです」

「――おぉ」

 鍋を洗っていた男の人。おっちゃんであろう人に声をかけると、何故かおっちゃんに少し驚かれたような反応をされた。

 もしかすると、声をかけていく学生は少ないのだろうか?このおっちゃん見た目が厳ついから?でも普通声かけていく人が多いような気もするが。

 またはこの飛鳥さん的にはレア?なことだったのかもしれない。いや待て、そもそも1人の学生のことを――あっ、この長い髪っていうのでインパクトは大か。

 そういえば長い髪だが食べている時も自然と手が動き邪魔にならないようにしていた事を今更ながら気が付いた俺だった。

「――あら!飛鳥さん。もう来てたの?」

 トレーを返して俺が食堂を出ようとしたタイミングで厨房の奥にあるドアがガチャっと開き。先ほどのおばちゃんが白いエプロンを付けて入って来た。

「あ、はい」

「しっかり食べた?」

「満腹です」

 ガチです。本来なら物足りないかもというレベルだったが。今の身体はホントに満腹だ。

「若いんだからたくさんお食べよ」

「あはは。あ、着替えなんですけど――この後持ってきたらいいですか?後日――とかの方が良いですか?」

「あー、はいはい。ここに持ってきてくれたらいいよ」

「わかりました」

 食堂でおばちゃんと少し話した後。俺は一度飛鳥さんの部屋に戻った。

 ちなみにおばちゃんと話している時。おっちゃんがかなり驚いたような表情を一瞬見せていた気がするが――なんだったんだろうか?

 とにかく。食事をして部屋へと戻った俺はおばちゃんに借りた服を持ってから再度食堂へと向かった。

 その際おばちゃんは男の人。やはりおばちゃんが話していたおっちゃん(ここに来ておっちゃんであっていたことが確定)。と2人で夕食の仕込みをしていた。

 おばちゃんにお礼を言い服を返した後は、まだ学園の方から指定されている時間までは時間があったが。特にすることもないため学園の方へと向かうことにした。

 時間ぴったりに行けばいいかもしれないが。今の俺は全く学園のことを知らない。

 なのでとりあえず行ってみることにした。


「――って、長いし」

 それから十数分後。俺はまだ学園への坂道を歩いていた。

 ちなみに学園までが見えているのに限りなく遠かった。

 ではなく。いや、そこそこ距離は実際あるのだが。俺は食堂を出てすぐに駅の方へと進みそのあと学園への坂道を少し進んだところで、手ぶらだったことに気が付いた。学園に行く際一応筆記用具くらいあった方が良いかとそこで思い部屋へと取りに戻ったのだ。

 そしたら部屋の中で筆記用具探しに少し時間がかかった。

 身体は飛鳥さん。しかし中身は俺。

 着替えなど日常的な動作?は自然としていることがあるが。どこに何があるかの直感というのか。とにかく筆記用具が見つからなかったのだ。

 ホントどこに何があるのかわからなかった。思い出そうとしても俺。薬水柚希の記憶しか出てこなかった。

 ということで、部屋の中で無駄に時間を使ったため。意外と予定通りの時間。少し早いくらいで学園の方へと俺は到着しようとしていた。

 ちなみに筆記用具は寝室のベランダ近くにあった通学カバンと思われるものの中にあった。

 本来なら通学カバンは目立つところにありそうなものだが。洗濯でもしたのか。窓のところにかかっていたので見落としていた。

 もしかすると普段からそこにかけていたのかもしれないが。またカーテンにも隠れていたこともあり。寝室を1回目探したときは気が付けなかった。

 ということで、とりあえず通学カバンがあったので、通学カバンに筆記用具とタブレット端末を入れ学園への坂道を歩いているところだ。

 そして少しして5階建ての校舎の目の前へとやって来た。


 見た目はちょっと大きな学校とでも言えばいいか。

 今まで俺が通ってきた学校は最高3階建てだったので、今目の前にある建物は大きく見えた。 

 あと大きく見えるのは横に長いからかもしれない。

 また最上階に円盤ではないが。展望台?のような少し大きな場所があるあれは――なんだろうか?本当に展望台?

 ちなみにグラウンドもちゃんとあり。グラウンドの方からは体育の授業をしているのだろう。声が聞こえてきている。

 そんな声を聞きながら俺はとりあえず正面にあった昇降口から校舎内へと入る。 

 入ってすぐに下駄箱がいくつか並んでいる。下駄箱に関しては俺が高校で使っていたものと似ていた。特に鍵などはなく。木製の蓋つき下駄箱だ。

 下駄箱の蓋の上部には学籍番号が書かれたプレートが多分はめ込まれている。もしかすると在学中ずっと同じ下駄箱を使うのかもしれない。

 俺はタブレット端末を開き学籍番号を確認してみると学生証のところに記載があった。

 ちょっと不審者のような動きをしつつ俺は飛鳥さんの下駄箱を探してみた。

 しばらくして無事に発見。

 飛鳥さんの下駄箱が見つからなければスリッパや上履きなしでそのまま校舎内に入れば良いと思っていたが。無事に見つかったので飛鳥さんのところの下駄箱を開けてみる。

「……」

 一応、上履きが入っていた。

 けれど、俺は上履きを取ることなく。履いてきた靴だけ入れて下駄箱の蓋を閉めた。

「とりあえず、このまま行くか。これは後で良いだろう」

 下駄箱は見つけた。

 上履きもあった。

 けれど諸事情により上履きは使わないことにした。

 ちなみに下駄箱内が2段になっていたので、上段の靴は入れた。

「予想できることか」

 俺はつぶやきつつ校舎内へと入ることにした。

 校舎内は綺麗でまだ新しい雰囲気があった。

 そしてやはり島にあるからか。それとも島の中でも高台にあるからか廊下の窓が開いていると。そこそこ強めの風が入って来ていた。

 歩いてくるときも一応スカートが風で捲れないようにしていたが。学校内でも注意が必要らしい。なかなか大変だ。明日からは体操服のズボンでも履いておこうか。そんなことを風を受けつつ思う俺だった。

 ちなみに今は1階にいるのだが。この1階ですでに高台のため。奥の窓からは海が見えている。

 この学園はもしかすると教室がオーシャンビューなのかもしれない。

 いや、もしかするとほぼすべての場所から海が見えそうな作りだ。

 キョロキョロしつつまずは通路を進んでみると。早速目的地を発見した。

 職員室と書かれた看板が見えたからだ。

 ちょっと時間が早いので廊下で待っていた方が良いだろうか?などと思いつつも職員室の方へと歩いていく。 

 するとちょうどいいところに案内板。フロアマップがあった。

 そしてどうやら職員室の隣に職員用玄関。来客用の玄関があったらしく。ちょうどスリッパが置かれていたので、そこでスリッパを借りることにした。

 靴下のままでも良かったが。よくよく考えると白い靴下だったためこのまま歩くと真っ黒になりそうだったからだ。

 すでに少し黒くなっていたが――まあこのレベルなら洗えば大丈夫だろう。

 来客用と書かれたスリッパを借りた後俺はフロアマップを見た。

 この学園は細長い作りらしく。端から端までがそこそこある。

 今もだが両端が結構小さく見える。あと少しそっているらしく。両端の行き止まりまではちょっと見えていない。

 もしかすると島の北側に校舎があり。南側にグラウンドや駅。寮があるのでその場所の風よけ?北風よけの意味もあるのだろうか?

 まあ海の上なので四方八方から風は吹きそうであるが。

 ちなみに校舎の北側には何もない。もしかすると量から校舎までそこそこ坂道を上がって来たので、崖?かもしれない。

 改めてすごいところに学園はあるらしい。

 そんな事を思いつつまず1階のフロアを確認する。

 1階には職員室や保健室。宿直室などの記載がある。

 2階には1年生の教室。つまり飛鳥さんは1年だったので、2階がメインとなる様子だ。

 3階は2、3年生の教室。

 4階に図書館や理科室、視聴覚室などの教室。

 5階には文化ホール、食堂の文字があった。

 5階が最上階なので、先ほど外から見えた円盤?の場所は文化ホール――いや、よく見ると文化ホールと食堂は同じところに書かれているため、5階は食堂というスペースで、行事の際ホールにもなるということらしい。

 この建物どういうバランスで建っているのかすごく気になるが――そんな事俺が考えたところでわからないので、気にしないことにした。

 あとは校舎の外には、大きめのグラウンドがあるようで、野球、サッカー、ラグビー、テニスコート。そして弓道場の文字がある。

 また体育館と武道館と書かれた場所もある。

 先ほど見えていたグラウンドは、ほんの一部だけだったらしい。この島。駅と寮の土地以外はすべて学園の建物とグラウンドのようだ。

「君。授業中に――って、あー、君か」

 フロアマップを見ていると、職員室の方のドアが開いた――と、俺が気が付くと同時くらいに男の先生らしき人と目があった。

 はじめは俺を怪しそうに見たが。すぐに何か気が付いたののか。職員室の中の方を見て「武庫川むこがわ先生。彼女。飛鳥さんでしたっけ?来てますよ」と、職員室内に向かって声をかけた。

 どうやら武庫川――というの先生が俺を。飛鳥さんを呼び出した人らしい。

 

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