ソルティーライチ
@kikuitigo
Lady friend.
世の中に恋人と言っていい関係なのか、
友達と言っていい関係なのか分からないけど、
幸せな気持ちでいっぱいになる経験があるだろうか…。
私は中学を卒業して何をしようか考えてフリーター生活を送っていた。
ペットショップ、アパレル、居酒屋。
色んな仕事をして色んな経験をした。
1番長く続いた居酒屋で私とその人を出逢った。
当時18歳の私と22歳の大学生だった。
コロナ禍の営業停止期間を終えてお店がどこもかしこも空いている中私が働いてた居酒屋は、1番忙しかった。新年会シーズンやら成人式で賑わっていた。
成人式の日は来る人若い人に年齢確認をしては嫌な顔をされた。
お店は賑わってる中1番楽しそうに仲良さそうな男性陣がいた。
何回も来ているであろうその人たちに私は店長からの指示で年齢確認をした。もちろん全員が20歳を超えていてみんな快く年齢確認に応じてくれた。
そこに優しいノリのいいその人がいた。
みんなが飲み終わったグラスを取りやすいように通路の方に置いといてくれたり、帰る時は『ご馳走様でした!美味しかったです!』
といつもゆってくれて印象的だった。
その日は無事にお店が終わって、
次の週の土曜日。その日から私のバイト生活は大きく変わった。
その日は3人の男性陣でその人がいた。
私は風邪で声があまりでないのを茶化すかのようにお互い笑いを誤魔化しながら接客をした。
でも耐えれなかったのか、彼は『声大丈夫ですか?』
と声をかけてくれた。
私はカサカサの声で『ちょっと風邪ひいちゃって声が出ないんですけど頑張ります!!』と答えた。
それから数時間お店は賑わってラストオーダーの時間に席を順番に回った。
最後の席は彼がいる席と決めて心を弾ませながら聞きに行った。
『お食事のラストオーダーどうしますか?』
『いーや、大丈夫です!』
『分かりました』と聞いて
そのまま終わると思っていた。
聞き終えて席を離れようとした時
『お姉さん連絡先とか交換してもらえたりしますか?』と声をかけてきたのは、いつも食器やグラスをまとめてくれるあの人だった。
私は(あ、ナンパされた。変な人だったら。遊びだろうな。)と思いながら、ドリンクのラストオーダーが残ってたので、その場は『ドリンクのラストオーダーの時に気が変わってなければまた聞いてください』と
答えた。
厨房に戻る時に後ろからクスクスと話し声が聞こえた。それは気にせず、気が変わればラストオーダーに聞いてこないと思ってスルーした。
ドリンクのラストオーダーの時間が来た。
私はマスクの下は少しニヤニヤしながらその人の目を見ながら席に向かった。
『ドリンクのラストオーダーどうしますか?』
その人達はボトルが入ってたから、頼むことは無いだろうと思い聞いた。
『新しいボトル1つとお姉さんのドリンク好きなのどうぞ』と言っていた。
新しいボトルと私がよく飲むドリンクを席に持っていき、その人たちと乾杯をしてドリンクを頂いた。
そのあと『え、連絡先交換してくれないっすか?』と聞かれたので、割り切った関係でいいやと思って交換した。
それから連絡を取りあってから、しばらくしてお店に飲みに来た。元々お客さんだったのに連絡先を交換して連絡を取りあっている人がお店に来るとそれは恥ずかしかった。。
連絡先を交換した日とは違ってその人がすごくかっこよく見えた。背が高くて大きな背中をして、デカい手。いっその事その体に包まれたかった。
彼がお手洗いに行く時、掃除の時間になってお手洗いに入った。たまたまその人とお手洗いの中で2人きりになった。
私はドキドキしながら、下から上までその人を見て最後目を合わせた。
彼は私に耳ともで『今日も可愛いね。いい匂いする。』と、呟いた。
私は上目遣いで『ありがとうございます!』と流して彼をお手洗いから出した。
内心すっごくドキドキして胸がはち切れそうだった。
誰か来たらどうしよう。聞かれたらどうしよう。
色んなことを考えながら思ったことがひとつあった。
(抱かれたい。いい匂い。)
何回かお店のお手洗いでそんなことがあった。。
時には少しハグをしたり、マスク越しにキスもした。
彼は私の腰に手を回したり、私は彼の股間に足を滑らしたりした。。
もうこのまま続けたい。そう思いながら仕事を毎回終えた。
ある日私が珍しく早上がりの日に彼が『会いたいから、迎えに行くね』と連絡が来た。
私は嬉しくて頑張って仕事をした。
19時頃仕事が終わった。
近くにコンビニがあってそこに待ってると、言われたので静かに近づいた。
彼はニコニコした顔で私の方を見て手を広げた。
私はちょっと離れたところから走って彼に抱きついた。仕事終わり私はマスク取って彼に初めてあった。
恥ずかしかったけどそんなのどうでもよかった。
今まで我慢していたものがお互い爆発したかのように
コンビニの駐車場で抱き合った。
マスクであまり匂わなかったいい匂いが直接漂った。
首に唇をつけてわたし思わず噛んでしまった。
彼は何も言わず痛そうな声を出して、腰を強く引き寄せた。。
さすがにここではダメだと1度彼の車に乗り
私が頼んだソルティーライチを私にくれた。
私は落ち着くために1口飲んだあと、
彼にも不意に口移しした。照れた顔をした『めっちゃ甘いね。もう一口。』と。
好きだったソルティライチは今日は特別甘くて酸っぱい味だった。
さっきの興奮が少し収まって冷静になった時彼は恥ずかしかったのか、顔を見てくれなかった。
私はずっと彼の目の見て『なんで見てくれないの?』と聞いた。彼はこう言った。
『恥ずかしいよ。そんな目で見たら自然と吸い込まれそう。我慢できなくなる。』と抱きしめられて呟いた。私もそうだった。そんなこと言われたら止まらなくなる。
少し人が通る公園の中で私と彼は抱き合ってキスもして首も噛んだ。彼の股間が私に当たって愛おしく感じた。。。
時間はあっという間に終わった。19時頃にあったのに色んな話をしてあんなことをして時間はもう23時頃だった。
今日はここまでかと私は『今日はありがとう。また会いに来てくれる?』と。
『もちろん。いつでも迎えに行くよ。』
私のバイト生活、つまらなかった人性がこの日大きく変わっていった。
ソルティーライチ @kikuitigo
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