第3話 フードの女

 闇に包まれた路地裏で、小瓶の液体が神秘的な光を放っていた。心臓が鼓動を早め、

この液体がカラフルな世界へと再び導いてくれると確信していた、そのとき、背後から気配を感じ、振り返ると、フードを深く被った女がこちらを見つめていた。

 感情の色が見えなくなっているCOLORには、彼女の視線が鋭く光って見えた。


  「ついに、手に入れたようだね」


 女の囁きは、闇に溶け、消えた。

COLORは、この液体で人々の感情を取り戻したい。カラフルな世界と繋がりたい、

そう願っていた。


 しかし、女の目的は少し違った。

女は、特別な能力を持つ人間を探していた。


そして、この液体が、その能力を覚醒させる鍵だと信じていた。


 女は、COLORに近づき

「あなたは、私たちが探し求めていた

【絶対共感覚】の持ち主でしょう?

あなたの特別な能力は、私たちの組織にとって必要なものです」


 女の言葉に、冷気が全身を這い上がった。

なぜ、知っている?

なぜ、必要としている?

 一縷の希望と深い不安を抱えながら、COLORは女の後をついて行くことにした。

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