B.後編 地獄釜

あの事件以来私はかなり痩せ細った

お腹は空いている、でも食べたら吐き出す

あの事件から私は

私では無いような、そんな感覚に陥ってた

そして私は、私の考えがわからなくなっていた

私は悪くない、それなのに

私と同じくらいの子が、

常にしがみ付いてくる、その子の声が聞こえる

「お前が代わりに死んでれば

なんでお前は助かった、許せない、許せない」

あの子が絶対言わないであろう言葉

それでも聞こえて来る

耳を塞ごうにも、頭に響くような

そんな感覚に覆われている

私が間違った事をしたのか

それすらわからない

日に日に私の心は黒染まっていった

希望なんて無い 光なんてない

助けてもらったのに 救われてはない

だから私は意味も無く悩んで泣いて

自問自答して苦しくなって

そんな繰り返しの日々

ある時私はフラフラと死人の様に外を徘徊していると

公園を見つけた

昔母と良く遊んだ思い入れのある公園だ

懐かしく苦しい私は泣いてしまった

自分の事がわからないまま

ただみっともなく泣いていた

そしたら突然

「大丈夫?」と声がした

顔を上げると子供が居た

私を心配してくれた、慰めてくれた

知らない子供にだ

それでも救われた気がした

私の家はすぐそこだ

私は何をしたら良いのかわからない

以上 後編 「事後苦が待…」

B.子供視点 終わり

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