第38話 間違って頼んだんだが?


「お寿司屋さんのお茶ってなんでこんなに美味しいですかね~?」

「そうだな、たしかに美味しい」


 こういうお店で後悔するのは、ポテトとデザートのタイミングを間違えると、すごく時間のロスになる。ポテトは揚げるのに時間が掛かるのか、終盤で頼んでしまうと地獄の待ち時間が始まってしまうので、頼むなら「最初」……あと、デザートも食べている中盤あたりに注文を掛けるぐらいがちょうどよい。


「こちらご注文のセットのうどんになります~」


 店員さんがうどんをふたつ持ってきてくれたが、なんかコインを2枚置いていった。なんだこれは? そうか、子ども用のセットを頼んでしまってたのか。


「先輩、これでガチャが引けますよ?」


 そうなの? でもさすがに大人ふたりでガチャを引いている絵面えづらはどうかと思うが……。


「俺はいいよ」

「じゃあボクが2回引いてきていいですか?」


 喜んでガチャコーナーに向かった当真くんは満面の笑みで俺に当たったものを見せてきた。


 恥じっコぐらしのキーホルダーがふたつ……。


「かわいいですね。せーんぱい♪」


『ゾクッ』




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