落ち着いた文体で綴られる、神代と現代を繋ぐ伝奇

金銭的な贅沢はないものの、穏やかな日常を送る少女と青年。
しかし、それは仮初の日々だった……。

前半の緩やかな日常からの転変。
そこからはジェットコースターのような展開。

主人公の少女が良い意味で「普通の」感覚なだけに、よりその背景の特異さが際立ちます。
そして最後の決断。それは彼女が普通の幸せを何より大切にしてからかだと思う、納得の選択でした。

物語も面白いのですが、どちらかというと難読な言葉もありながら、章の区切りや前後の構成が整っていて読みやすくなっています。

話自体の面白さに加え、そういった書き手としても参考になる作品でした。

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