第16話 水の先
穴は人が歩いてもスペースが余るほどの大きさで腰より下に水が流れていた
二人は穴に入る前にマリンシューズを履いていたため、滑ることはないが気をつけなければいけない
オーズが完全防水の首掛けライトを出し前に行った
「流れが早いな」
「水が冷たいね」
「気をつけろよ」
「うん」
少し歩くと天井が高くなった
「ここら辺だったら、走っても良いな」
川の隣に人が歩けそうな狭いみちがあった
「さて、どっちいく?」川の奥と道を指差した
「まあこっちかな」
道の方を指差した
「よし、こっちだな」
二人は着替えオーズが松明を出して火をつけた
「良いねえ、冒険らしくなったじゃん」
「だろ、でも暑い、なのでお前に渡す」
「いらない」
「じゃあ消しまーす」
ヒュンと消えていった
「www」
「出した意味ねえww」
持っていた完全防水のライトで進んだ
壁を見ると変わっていた
「急に変わったな」オーズが第二関節で叩くと
ピチャピチャと音がした
先程まで壁、地面が土、石だったが
変わった見た目はレンガのようなもので触ってみるとツルツルしており、濡れていた
「どうする、戻るか?」
「少し進んでみよう、やばそうだったら帰って二人に報告だ」
歩くたびにピチャピチャと音がして、通路は二人の息の音しか、しなかった
通路を曲がると植物が見えた
「? 植物だよな?」
「うん、森のとは違うけど、植物だね」
奥にキラリと光るものが見えた
「ん? いまあっちで光らなかったか?」
「確かに光った気がする」
「行ってみるか」
小走りで光ったところに行くと。
「?! うわあ!」
オーズが落ちていった
オーズが落ちる5分前
「うーん ん?」
こうたが目覚めた
「…」
周りを見回すとオーズとケイがいないことに気づいた。
「オーズ、ケイどこ行った」
読んでみても返事がない
石の下に紙があった
「……ふくずん、起きろ」
ポンポンと肩を背中を叩きふくずんを起こした
「んー? おはよう」
「オーズとケイを迎えに行くぞ」
「えっ?」
「とりあえず準備しな」
「うん」
「さて、こっち側に行ったみたいだけど」
穴を見る
「水の中に入るの?」
「濡れるけどしょうがない、インベントリに突っ込んだらマシになるんじゃないかな」
ドボンとこうたが水の中に入った
「しょうがない」ふくずんも入り進んだ
「オーズ大丈夫か!」
ケイの目線には、深さ1.5メートルほどの段差があり
オーズがそこに落ちていた
「いってえー!」
服についた土を払いオーズが立ち上がる
「大丈夫だ、痛えけど」
親指を立てた
「いきなり消えたからびっくりしたよ」
「すまんな 降りる時は気をつけろよ」
道はまだ続いていた
植物は進むたび木などが増えていった
「ここ本当に地下なんだよな?」
「多分…ね」
近くの草から青い物が飛び出して奥へ消えていった
「わっ!」オーズがビク!とした
「えっうぉ」ケイは飛び出してきたものとオーズの声にびっくりしていた
オーズが右手を心臓の位置に置き心音をたしかめながら言った
「今の見た?」
「うん」
オーズはナイフを出し、右手で心音を確認しつつ、左手でナイフを構えた
ケイもサブマシンガンを持った
一歩一歩慎重に進んでいくと、大木があり、そこに大きな巣のような物があった
「虫かな…?」
「ええ、むしぃ?」
「もし虫だったら近づかないでおこう、怖いし」
「賛成」
近くの茂みに入り、巣を見たが見えない
少し近づき中を覗き込もうとしたが見えない
頑張って見ようとしてると
茂みの中に1匹の小さい白い生物が入ってきた
「うぉ!」オーズがびっくりして、その声で小さな生物もびっくりし、素早くどっかへ行った
「これやばいかな?」
「かもね、さっき見たけど、虫ではなかったね」
「少し安心だな」
「でも鳥とかでもないんだよ、なんか妖精みたいな感じだった」
「優しい妖精だったら良いな」
近くの巣からさっきと同じような小さな生物が8‥9匹出てきた
茂みの周りに集まり、何か話している
「逃げるか?」
「ショットガン準備しとく」
ヒソヒソと話しているとあっちから話してきた
「そこの方、私たちの領地に何のようです?」
話しかけてきた
「道を進んでたらここに着きました」
「本当ですか?私達を滅ぼしに来たのでは?」
小さな生物達が水でできた槍や炎の剣を向けた
二人は武器をしまい
「本当です、僕たちは攻撃する気はありません」
「ならば出てきなさい!」
二人はゆっくり茂みから出た
「…あなた、人間?」
「はい」
「人間がなぜこんなところに?」
「地下に落ちて、探索してたらここに着きました」
「…どうやら魔王軍や盗賊なんかじゃ無さそうね」
「私たちは妖精よ、他の種からは発展の妖精と呼ばれているわ」
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