テーマ: 夜空を駆ける



図書館の帰り道に空を見上げる。


あ、流れ星だ。



星は一瞬光り、

細い糸になって夜空を駆けて消えて行った。



流れ星に願い事をする、は定番の話だけど、

三回唱えるはどこから来たのか不思議になる。

流れ星の時間は短い。

見た瞬間、あ、あ、あ、という間に消えてしまう。


流れ星に願いを伝えるために夜空をガン見して

スタンバイしていろということなのかな、と

勉強で疲れた頭でぼんやり考える。




そんなのは嫌だな、と思った。

願いを叶えてもらうために空を見続けるなんて嫌だ。

願いは自分で叶えたい。

誰かから与えられるのではなく、自分の手で掴みたい。


自分は地味でブスな陰キャだけど、

自分から動いて友達が出来た。

今まで誰かと顔の話なんてしたことなかったから

すごく楽しい。

たまに一軍女子が睨んでくるけど

だから何?と思うくらい楽しい。



私は星空眺めて待つなんてしない。



もうひとつ、星が夜空を駆けていった。




綺麗だな、と思ったけど、それだけだ。




私は待つなんてしない。

いつでも地面を駆けてやるんだ。




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アプリ:描く習慣を使用_2025 いちさん(えいのーと) @Ichi3

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