本作は「マッチョの生態」が自由研究形式で記述されているという面白い構成の小説です。
研究内容に小学生らしさが伝わってきて微笑ましくなるとともに、新鮮なマッチョの世界を素朴に楽しむことができました。
一貫して語り口がユーモラスなので、お話にグイグイと惹き込まれます。大きな没入感とともに読み終えることができました。
作者の小田島様ご自身がボディービルダーなのだそうで、細かい描写がリアルで面白かったです。近況ノートからお写真を拝見したら、本当にムキムキでビックリしました。
僕自身は元々筋トレには全然興味がなかったのですが、本作を読んでいるうちに俄然興味が湧いてきました。素晴らしい作品でした。
二度目だけどやっぱり面白い!作者小田島さんの笑いのセンスと自虐ネタが詰まった逸品です。
小学生の小田島くんが、自宅に生息しているマッチョマンの生態を、生息分布、体長、性格、食物、繁殖などに分けて細かく観察し、まとめたものです。もちろん自宅に生息しているのは小田島さんご本人です。
夏休みの自由研究で提出したもので、府中市優秀賞、東京都奨励賞を受賞と、作品の説明文に書いてますね。この辺りの細かいボケも洒落てて好きです。
雌を惹きつけるためのマッチョが、逆の結果に繋がるいわゆる本末転倒な場面が特に面白く感じました。
“気性・性格”の項目でさりげなく良い人アピールをしているところも笑えます。
“使役性”では、『立派な筋肉は観賞用なので役に立たない、ジャムの瓶を開けるときに重宝される』には、うちの夫でも開けられるワイとか思わず突っ込んでしまいました!
とにかく笑えます。
ボディビルに興味がある方もない方も、すぐに読みに来てください。ホントに面白いから自信を持っておススメします。
後に、ロニーコールマンの再来と呼ばれることになる少年のまとめた、(知らんけど)
筋肉を育てることを美学とし、筋肉を育てるあまり、
「俺の血管はプロテインとかいうクソではできてねえぞ!」と言う人種のレポートである。
なを、私もこの生物には興味を示しており、
私が毎晩ランニングしている公園……の隣接地に、このレポートでいうところの「ガチの巣」があり、
建物の中の機械で走りながら、公園を走っている私を見下ろしてくる。
彼らと目が合うたびに「なぜだ!? 降りてきて一緒に走ろうぜ! こっちは無料だよ!!」と思ってしまう私であるが、
彼らの目的はあくまで、筋肉を育てるための食欲促進のためのマシン・ランであるために、あの(物理的な意味での)上から目線は、「金のかけ方がお前らとは違うんだよ!」という視線だと理解している。
本作で一貫して描かれているのは、マッチョ族の悲喜劇である。
そのメインテーマは
Putting the cart before the horse
そう、馬の前にいつしか馬車がついている、という、「本末転倒」の話。
一般ピープルは、マッチョな人たちって、筋肉つけて、その肉体美で異性と夜の腹筋背筋運動しちゃおうと目論んでいる人々と考えがちだろうが、本作を読むと、意外な生態&性癖が明らかに。
しかも、間近でレポートしているという体なので、リアリティに溢れている。
唯一、リアリティに欠けると思われるのは、小六男子が夜のオトナの営みに多面的分析を加えていることである(笑)。
進んできているとはいえ、いくらなんでも早期英才教育すぎるやろ!とツッコミを入れたくなってしまうほど、微に入り細にわたった考察なのである(笑)。
これでは「学校の先生は、夏休みの宿題、お父さんに手伝ってもらって良かったねー」と担任の先生からいかにも書かれてしまいそうであります(笑)😆
つまり、オトナが読んで面白い作品に"仕上がって"おります。ご期待を!