№29 「ぬりかべ」

「ぬりかべ」とは日本の北九州北部に伝わる怪異・妖怪。


福岡県の海岸地方の伝承では、夜道を歩いていると突然、目の前に

「見えない壁」が出現し、前方へと進めなくなってしまうという。


壁の横を通り過ぎようとしても、壁は左右にどこまでも続いており、

そのまま進めば崖へと転落してしまうこともあるという。


これに対処するには、まず落ち着いて一服し、棒で

足元を払うと目に見えない障害物は消え去るという。


また、この怪異の正体は、狸や鼬などの獣が陰嚢を広げ、

人間の目を塞ぐために生じる幻だとされる。


また、地方によってぬりかべは、「野襖」「壁塗り」「壁坊」などと呼称される。

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