№18 「鎌鼬」
「鎌鼬」とは鳥山石燕「画図百鬼夜行」などで描かれた
日本全土に伝わる妖怪・怪異。
風の属性をもつことから中国古来の霊獣で四凶の一つ、
「窮奇」と同一視される。
その名の通り、
イタチのような獣の姿をしており、
つむじ風に乗って現れ、前足と一体化した
鎌で切りつけ飛び去るという。
言わば妖怪界隈の切り裂きジャックだが、
この傷に痛みはなく、
またら血も流れないとされる。
しかし、地方によってはこの際、
適切な処置を施さないと傷口は悪化し、
激痛と大出血が生じ、骨が見えることもあり
稀にではあるが命を落とすことも。
信濃地方の鎌鼬は悪神の類だとされており、
かつては神聖視されていた暦など、
つまりカレンダーを足で踏んだりすると
この災に遭うと言われている。
悪神は三位一体で風に紛れて行動し、
一体が人間を突き飛ばし、
二体目が切りつけ、
三体目が薬を塗って傷口を塞ぐため
痛みも感じず、出血もないのだ、という。
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