№16 「頼豪鼠」

「頼豪鼠」とは

平安時代の天台宗円城寺の僧頼豪が

魔道に落ち怪異と化した魔物。


またの名を「鉄鼠」。


承保元年、西暦で言えば1074年、

強い法術の使い手と知られていた頼豪は


白河天皇に依頼され、

皇子誕生のため祈祷を行う。


見事、それを成就させた頼豪は

褒美に円城寺内で出家者を正式な僧侶として

認定するための施設、

戒壇院を設立する許可を求めるが


当時円城寺と敵対していた

比叡山延暦寺から圧力がかかり横やりが入り、

約束は反故にされてしまう。


この仕打ちを深く怨んだ頼豪は

100日間の断食し、自ら命を断った後、

わずか4歳の皇子を呪い殺す。


それと同時に

鉄の牙と石の身体を持つ、

8万4千匹もの鼠の大群へと生まれ変わり


延暦寺に収められていた

教典や仏像を食い荒らした。


頼豪の恨みのすさまじさに恐れをなした

延暦寺は境内に「鼠の秀倉」という社を築き

鼠たちを祀ったのだった。

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