第3話 裁判後のことを考えて
お久しぶりになりました。
前回、第1回目の裁判が行われたのが12月〇〇日でした。
開始すぐに弁護士から和解を提案され、調停人と別室で話し合いをしました。
民事裁判で、弁護士が和解を勧めるのは、早期に妥当な決着をするためです。
当時は初めてのことだったので、あまり気が回りませんでしたが、被告側から示談金の提示がすぐに出てきたことを考えると、被告弁護人と調停人の間には長年の経験値から「妥当」なラインというのがあったのかもしれません。
調停人から20万円の示談金で被告が和解を申し出ていると聞きました。
求めている40万円に対して20万円になると、いわゆるゲームで言えば20点対20点の合計40点で、引き分けに見えます。
咄嗟にそう思った私は「30万円」なら受けると調停人から被告側に伝えてもらいましたが、回答はNOでした。
わたしは和解を受けるか、受けないか、10分ほど調停人が見守る前で考えていたところ、調停人から「次回に答えを出すでもいいんだよ」と助け船を出してもらいました。
弁護士、調停人には申し訳なかったのですが、第2回裁判をしてもらうことでそこまで考える時間を稼ぐことにしました。
原告側にとっては、2024年の間にことを終わらせて、ゆっくり正月を迎えたかったらしく、法廷外で愚痴を言っていましたが、こちらとて、1回裁判に出るのに半日会社を休まなくてはならず、得はありません。
なんなら、少額訴訟をわざわざ裁判に切り替えたのは被告側です。
弁護士費用を払って、原告にも20万円払うなら、少額訴訟で訴えられた時点でそのまま40万円を払っておけば、もっと安く時間もかからず終わったのです。
しかし、それでも裁判にしたのには、被告側にも理由があったのでしょう。
例えば、アパートの他の住人から同様の裁判を起こされないように、とか。
*
2025年2月〇〇日、第2回裁判が行われました。
それまでに1ヶ月程時間がありましたが、裁判を継続するか、20万円での和解に応じるかを考えることができませんでした。
年末と正月が忙しかったことや、仕事や家庭のことで頭がいっぱいだったこともありましたが、脳が裁判について考えることを拒絶していました。
もともと、害虫のことを考えるだけで眠れない日々を過ごしていました。
恐怖心があるからです。裁判のことを考えると、同時に害虫のことも頭に蘇ってくるのです。
また、裁判を継続し、こちらが完全に負けることがあった場合に被告側から裁判費用(弁護士費用込み)の金額を請求される可能性もゼロではありません。
例えば、4カ月分の家賃のみが認められ約15万円で決済したとしても、被告側から100万円の裁判費用を請求する裁判を別途起こされたとしたら、原告側は結局負けたことになります。
でも、被害総額の40万円を取り返せないのはつらいところです。
そう考えると、被告側の弁護士はいい仕事しています。
*
裁判が始まると、弁護士さんからすぐに和解の回答を求められ、調停人とともに別室に移動しました。
原告として下記の3点を伝えた上で、和解に応じました。
1.裁判費用は自己負担のみ
2.謝罪条項を求めない
3.守秘義務条項を盛り込まない
原告側が勝ち過ぎることのない条件になっていると思いました。
勝ち過ぎはよくない、というのは弁護士のYouTubeで学んだことです。
ほんとうは謝罪条項を盛り込むの3点としたかったのですが、逆に求めないことにしました。
盛り込まないことによって20万円から25万円、30万円にする交渉をしてもいいのかなと思ったのですが、おそらく、和解というのはそういうやりとりをするところではなく、やるなら裁判を継続するということなのだと思います。
また、基本的に被告側は今回のことを一切悪いとは思っていないのです。
安いアパートなのだから害虫が出るのは当たり前で、なにか文句を言えばお金もらえると思っている悪い奴に訴えられたと思っている節があります。
法定外で「言ったもの勝ちですよね」と原告たちが話していたのを私は聞いているのです。
そんな人たち、特に負けるのが嫌いな弁護士にとって、謝罪条項はかなり原告に対する心象が悪くなります。
10万円分は、今後自分でがんばって稼ぐとして、ひとまず20万円で応じました。
でも、悪い物件に入って40万円損をし、20万円しか裁判で戻せなかったのは残念です。
今回は少額の訴訟でしたが、これが高額の訴訟だった場合、よりダメージが大きくなるのかと想像すると、わたしの損害は20万円だけだったのだと思いもしました。
今後は、自分も他人に訴えられないようにつつましく生きようと思いました。
ここまでがご報告になります。
今後、考察をしたり、他の裁判について考えることを書いたりするかもしれないのですが、いったんこの原稿は最終回とさせて頂きます。
ありがとうございました。
【害虫アパート】弁護士なしで個人裁判の記録 ぐらこ @guraco
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