第11話「Kind」
20XX年4月12日21時55分。粟野家ベランダ。
「まさか。粟野家で四人でお泊りするなんてな。」
「そうだな・・・。俺からしたら敵の家でマジで気まずい。」
「そりゃそうか・・・。」
「でも、本当に粟野の父さん強かったな・・・。」
「あぁ、母さんも強いよ。二人とも武士の家系だからな。」
「なるほどな。ってことは粟野も???」
「そうだよ。両親が強すぎて目立たないけど。」
「そうだったのか・・・。」
「あれ??二人ともこんなところでどうしたの???」
「今日はここで寝るの???」
「何言ってんだ・・・。男の秘密の話だよ。」
「あっそ。さっさと部屋入って~~。お母さんがケーキ切ってくれたよ。」
「ケーキ??」
「そうそう。なんかみんなが来てくれたことが祝いだって言ってるから。早く食べよう。」
「うれしいよね。優しいお母さんだ。」
「ちなみにお父さんがもう食ってるらしい。」
『え??』
そのままケーキを食べたあとに女子組は杏子の部屋で寝た。
俺と鷹鳥はというと・・・。
20XX年4月12日22時58分。粟野家リビング。
「ねえ、、、本当にここでいいの???二人とも・・・。」
「あぁ。いいよ。さすがに4人であの部屋で寝るのは・・・。狭すぎるから。」
「まぁそうだけど・・・。今日も寒いらしいよ???暖房付ける???」
「大丈夫だよ。俺らは一般人よりも寒さや暑さに強いから。」
「そう・・・。じゃあ、おやすみ。」
20XX年4月12日23時12分。粟野家リビング。
「さてと・・・。こうやって夜を明かすのはあの日以来か??」
「そうだな・・・あの日はまじで俺の家族がすまなかった。」
「お互い様だろ。今回のことも言ってしまってたらおそらく山から下りてきただろうな。」
「そうだな。あの道場以上になってたかもしれないわ・・・。」
「・・・。なぁ、鷹鳥。同じ山に住んでる怪物同士俺らの代以降は仲良く住めないもんかね??」
「そうだな・・・。やっぱ同じこと思ってるわ。でもどうなんだろうな・・・。」
「できると思うわよ。」
「???」
「ごめんね。盗み聞きするつもりはなかったんだけど聞こえてきちゃって。」
「ごめんなさい。眠れなかったですよね??」
「いいのよ。でもできると思うって言ったのは証拠があるわよ???」
「??」
「私がこの家に嫁に来た時は、天狗も鬼も毎晩毎晩山で戦ってたわ。あなたたちのご両親たちね。でも、16年前に突然やんだの。」
「16年前・・・。」
「おそらくあなたたちや、うちの子、櫻子ちゃんが生まれたからじゃないかなって思ってる。当時の大人たちで話した結果、大乱闘はなくなったのかと思ってる。」
「そうだったんですね。」
「だからこそ、あなたたちの代で因縁をとってしまえばいいのよ。それができる力があなたたちにはあると私は思ってるわ。」
粟野の母さんはそのまま寝室に戻っていった。俺らもそのまま眠ることにした。
20XX年4月13日6時23分。粟野家リビング。
「さてさて・・・!!!!今日も手合わせ願おう!!天狗に鬼の子ら!!!」
『え???』
「何を寝ぼけ眼で突っ立っている!!!道場へ行くぞ!!!!もう、杏子は稽古をしてるぞ???」
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