第3話「Castle」

20XX年4月8日23時05分。山の頂上。


「よぉ。さっきぶりだな。」

「そうだな。」


「まさか山裏の鬼が同じ高校で同じクラスなんて思わなかったわ。」

「こちらこそさ。」

「で??今日来るってのは家には言ってきたのか?」

「あぁ、さすがに言わねぇとな。」

「まぁ、そうだよな。うちはさっきまで全面戦争やって活気づいてたわ。」

「そうなんだ。まぁうちも似たようなもんだな。」


「それで???これからどうするよ。」

「どうするも何もないよ。」

「やるか??」

「でもやる理由なくないか・・・。」

「まぁそうだよな。」


20XX年4月8日23時11分。山の頂上。


「とりあえず、ある程度時間たったら戻るか。」

「そうだな。」


パキ(近くの枝が折れる音)


「「誰だ???」」


「大旋風!!!」

「大金棒!!!!」

「親父!!???何してんだ・・・。」

「次郎。お前は甘すぎてる。どんな理由があろうとなかろうとそいつは天狗だ。」

「すまんな。鷹鳥。」

「いや、それでいいのさ。結局こういうことだ。」

「なにを悠長におしゃべりしているのだ。我が息子よ。」


そこから天狗と鬼の大戦争が勃発した。


鷹鳥は鷹鳥宇宙(たかとりそら):正体は天狗。本名は、北山野大明神天狗天司鷹能(きたやまのだいみょうじんてんぐあまのつかさたかの)。地元の山に家と神社を構えている天狗一家の家系の末裔。

獅子山は獅子山陸斗(ししやまりくと):正体は鬼。本名は、南海野童子丸次郎坊鵺魔(みなみうみのどうじまるじろうぼうやんま)地元の山に家を構えている鬼一家の家系の末裔。

そしてこの二人の家は先祖代々山の利権をめぐって争っている。


20XX年4月8日23時16分。瑞原家。


「あら??なんだか山の方で騒がしいわね。」

「そうだな。でもあれだろ??今日山は行ってはいけないのだろ??」

「うん。一応メッセージ送っておくね。」

「まぁ迷惑かけないようにね。」

「はい。」


大丈夫だよね??ソラ。


20XX年4月8日23時16分。粟野家。


「今日はあの鬼どもは祭りでもしとるのか・・・。」

「そうかもね。」

「なんかあの次郎は言ってなかったのか???」

「うん、何も聞いてなかった。」

「そうか。」


あんたはなにもやってないわよね。陸斗。


20XX年4月8日23時19分。山の頂上。


「ふははははははっははは。楽しいぞ。この天狗野郎。」

「それは願い下げだな。お前らを楽しませるなんて目的はこちらにはない。」

「それでこそ。この戦いだ。」

「大旋風!!!」

「大金棒!!!!」

「親父!!???もういいだろ・・・。」

「我が息子よ。鬼とは分かり合えない。だからこそ全力で戦うのだ。」

「すまんな。獅子山。うちも同じだ。」

「いや、それでいいのさ。結局こういうことだ。」

「次郎、そんな予裕ぶっこいてていいのか。」


それから天狗と鬼の大戦争が継続した。

この戦いは朝まで続いた。

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