12人目『剣匠取締役』刀への異常な性愛~葛城燈香
*1800文字
*以下物語は、ほぼ手直しを淹れていない状態です。そのため文章にAIぽさが残っているところがあります。そこそこ手直しをいれたものが以下にありますので
こちらの方がクオリティ高くなっております。
↓
https://kakuyomu.jp/works/16818093092351560000/episodes/16818093092351727449
■闇の支配者
雨が降りしきる江戸の夜、【葛城燈香(かつらぎ・とうか)】は幕府の奥書院から表向きの「剣匠取締役」としての役目を終えて自宅へと戻ってきた。
傘もささず、黒漆の髪を高く結い上げた姿は体の芯まで濡れている。
華美な着物に身を包み、表面上は優雅な貴婦人のように見えるが、美しい鼻筋、その切れあがった目にはこの世の者にあらざる光が宿っている。
その日、彼女は江戸中の剣術流派を集めた密談を取り仕切り、次の抗争計画を細部まで詰めたばかりだった。
座敷には様々な流派の剣士たちが集い、彼女の指示を忠実に受けた。
かつて武士としての誇りを胸に抱いていた者たちが、今では彼女の手のひらで踊るだけの傀儡である。
彼女の口から紡がれる甘言と冷徹な策略により、流派同士の火花が散り、彼らは自分の意志ではなく、燈香の描いた血の劇場に身を投じる。
「剣とは、そして剣術とは美しいものだ。だが、美しさを保つには鮮血が必要だろうよ?」
燈香は切れあがった目で微笑んで言った。
その言葉に剣士たちは口々に忠誠を誓い、暗い夜の中へと消えていったのだ。
■愛刀との戯れ
燈香は、自宅の廊下を静かに歩いて自室へ向かう。
薄紅色の襦袢の上に羽織る黒地の打掛には、彼女の流派を象徴する血紅(ちべに)の椿が散らされている。
部屋に入ると、彼女は襖を閉じ、ゆっくりと灯火を落とした。暗闇の中、彼女の瞳は自然と長押(なげし)に目をやる。
そこには妖刀『夜哭——やこく——』が静かに鎮座していた。
「……弟さま、見ていらっしゃいますか?」
燈香の声は低く醜く、そして囁くようだった。
「……あなたが鍛えたこの刀、私は今も愛しております」
その言葉は彼女の心の奥底から湧き上がる痛みと執着そのものだった。
「夜哭」を手に取ると、冷たい漆黒の鞘が彼女の指先に馴染む。
刀を抱きしめるように胸元に引き寄せると、打掛がわずかに滑り落ち、赤い襦袢から覗く白い肌が薄闇に浮かび上がる。
刀身が抜かれた瞬間、燈香は息を呑んだ。
冷たい光を放つ刃は、彼女の目にはこの世で最も美しいものに映った。
それは弟の魂の一部を宿す聖域であり、同時に自分自身を慰める禁忌の象徴だった。
■狂気の高まり
まるで愛しいものを撫でるかのように、柄をそっと撫でつづける。
最初は慎ましやかな動きだったが、やがてそれは熱を帯び、次第に強く、執着の色を濃くしていった。
そこから燈香は柄にそっと唇を寄せ、その感触を確かめるように一瞬ためらった後、舌先を滑らせた。その動きはゆっくりと、まるで刀の全てを自らの内に刻みつけるかのように慎重だった。
「……弟さま……あなたが私に残した、唯一のもの」
呟いた声には、哀切とも執念とも取れる響きが宿っている。
彼女の顔は紅潮し、呼吸は次第に荒く、湿り気を帯びていった。額に浮かぶ汗が、刀身に落ちる月光を歪ませる。
燈香は刀身を見つめながら、やがてその刃へと唇を近づけた。
そのままそっと舌を這わせると、鉄と冷気が混じった味わいが彼女を包み込む。目を閉じ、息を漏らしながら、彼女はさらなる恍惚の中に沈んでいく。
「……こんなにも冷たいのに、こんなに熱い……」
燈香は吐息混じりに呟き、刀身に頬を押し当てた。
その瞳はにぶく濁り、しかし彼女の内にある感情が、月光の中で炎のように揺らめいていた。歪んだ愛情と狂気が混然一体となり、燈香は刹那の快楽と深い虚無の間を漂っている。
燈香は「夜哭」をそっと膝の上に置く。彼女の手は刀の柄を優しく撫で、その感触を確かめるようにゆっくりと動いていく。
微かに震える手は、いつしか鞘を握り締めるほどに強張り始める。やがて、彼女は刀身を股間に当てるように押し付けた。
「……弟さま……」
そう呟いた瞬間、燈香の表情が一変した。
憎しみと悲しみ、そして狂おしいほどの渇望が交錯するように顔を歪ませる。月光がその頬を淡く照らす中、彼女の呼吸は次第に荒く、湿り気を帯びていった。
彼女は身体を揺らしながら、刀の冷たい金属を感じ続けた。呼吸の乱れが声となり、しだいにその音が部屋の静寂を侵していく。
刀を見つめる彼女の瞳は、もはや焦点が合っておらず、涙が一筋流れ落ちる。燈香はその涙を拭おうともせず、刀に向かって囁く。
「……私を、拒絶しないで……」
■絶頂と虚無
燈香はついに刀を両手で強く抱き締めた。和装は切り裂かれて乱れ、白い肌と血がちらりと覗く。
その姿はまるで禁忌を超えた儀式のようだった。だが、次第に彼女の動きは止まり、静寂が部屋を包む。
彼女は、刀を見つめながら静かに呟いた。
「……弟さま、お許しくださいませ……」
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