第20話 初まりの終わり

 麻居はだいたい不機嫌。ちょっぴり嬉しそうに温かい紅茶を飲み直す。

 「……私は何もなくても俊広といれば十分だわ」

 その言葉で不覚にも心臓が高く跳ねる。

 「それは、ゆっくり考えなさい」

 「マイ!厳しいマイ!もっと甘くして!」

 いけない。マイマイに辛く当たればかたつむりに塩をかけたも同然。そうなればかたつむりもマイマイも溶けてしまう。

 「厳しくしたつもりはないぞ?」

 「マーイ。俊広はいつも甘いマイ。まるで角砂糖マイ」

 「ところでさっきの続きなんだが」

 「マイ?」

 「デンデンもマイマイと一緒にいるだけで幸せデン!」

 「五十点」

 「え?」

 「五十点マイ」

 マイマイはムフーと無い胸を張る。

 「マイマイは百点満点デン!」

 「あっ!今私が言い直そうとしたのに!」

 マイマイはプンスカ怒りながら紅茶を飲む。いつもの光景だなと思う。

 「マーイ!何、浸ってるマイか?かたつむり探しに行くマイよ!」

 「ハイハイ」

 こんな日が続きますように。

                END

 

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The マイマイ 二旋風ノ万能人コラボまいまい @futatumuzinobannouzintoshi

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