第8話 支度

 マイマイはタタッと出て行く。そして。

 「ただいま!」

 そう。麻居の家は隣。豪邸である。毎度の事なのであまり驚かないが、初めの頃はとてもビックリした思い出があった。

 「デンデン!」

 支度が早すぎるだろ。マイマイは目を輝かせて家に入って来る。

 「マイマイ。俺はまだ支度があるからテレビでも見てて」

 「マーイ」

 さっき「学校で」って言ったよな?マイマイは楽しそうにテレビを見ている。

 「麻居。行くぞ?」

 「マイ!今日は晴れだわ。かたつむりはいないわね」

 「角砂糖は持ってるぞ」

 「一口、ちょうだい!」

 俺は袋の中から角砂糖を一個取り出す。

 「マーイ。甘いマーイ」

 「食べ過ぎるなよ?マイマイ」

 「マイ!食べ過ぎてない!ちょっと体重が増えただけ!」

 えぇ……。太ったの?しかし俺は何も言わなかった。

 「あっ。雲って来たマイ」

 「ありゃ?今日は晴れじゃなかったの。マイマイ」

 「マーイ。嬉しい!」

 傘はない。が、雨が少し降って来出した。どうしたものかな。俺はマイマイに急がせる、

 「マイマイ。早く学校へ行かないといけないデン。雨に濡れてしまうデン」

 「そんなぁ〰︎。マ〰︎イ〰︎……。あ!でもいい知らせがあるマイ」

 「なんだ?マイマイ」

 「今度。新しい部を創ろうと思うの」

 なんだそりゃ?俺は麻居に話をうながす。

 「へぇ〰︎。新しい部?」

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