あくまでお仕事小説、断じて政治小説にあらず――『本日は、お日柄もよく』批評

35点



『楽園のカンヴァス』『総理の夫』などで知られる原田マハの長編小説である。

スピーチライターという職業を題材としており、その中でも政治家の演説がフィーチャーされていることから

変化球の政治小説を期待してしまったが

期待は大きく外れる結果となった。

あくまでお仕事小説といった趣で、政治小説としてはかなり薄味だ。


現職の政治家や、選挙に立候補する人物も登場するから

政治に関する描写なり説明があるにはあるが、だいぶ弱い。

出版されたのは2010年。世相を反映してかオバマ元大統領や後期高齢者医療制度なども登場したりするが

掘り下げが浅くお粗末な時事ネタの域を出ない。

政治家の裏側を読めると思うと肩すかしを食らうから要注意だ。

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