小説投稿サイト内で起こる呪殺と解呪を巡るホラー作品です。
知らぬ間に呪いをかけられていた主人公の女子大生が、若い怪談師の男性と共に呪いを解く方法を突き止めようと奮闘する様がスリリングに描かれていました。
この作品の最大の特徴は、リーダビリティの高さではないかと思います。
とにかく続きが気になる。
その理由はいくつかありますが、真っ先に挙げるべきは描写力の高さでしょう。
死に様の凄惨さが見事な筆致で描写されており、その迫力に引き込まれてしまいます。
怪異が迫ってくる様子も恐ろしく、実際に目の前へ飛び出して来たようなリアリティまで具えているのです。
この描写力により、ホラー場面がありありと浮かび上がってきます。
もちろん怖いですが、それ以上に迫り来る危機や強い刺激により高まる期待感が圧倒的で、目が離せなくなるのです。
ミステリ部分も秀逸。
謎の目の痛み、イベント中の参加者の変死、そして親しくしていた執筆仲間の犠牲など、予期せぬ展開が次々に起ります。
そして、少ないヒントから徐々に真実に近づいていく様はスリリングであり「どういうことなのだろう?」という疑問と好奇心で、どんどん先を読んでしまいます。
けれど、真実に近づいていくだけではありません。
ヒントから得た推理に基づいて事実を突き止めようと動くと、その推理とは別の真実が明らかになっていくこともあるのです。
謎を解いていくと、さらに謎が深まる。
そして、さらに好奇心をくすぐられる。
そうやって進んで戻ってを続けながらも、徐々に真実は迫ってくるのです。
さらに、呪術の舞台が小説投稿サイトというのも、面白いです。
小説投稿サイトで小説投稿サイト内の怪事件を読む、というのは読者にとって「自分自身にも起こり得る物語」という印象を与え、恐怖やリアリティに寄与していたように思います。
完結後にも、実は物語が続いており、真のラストは予想だにしない恐怖が待ち構えています。
この先、一体どうなるのか、という不気味な余韻を残して幕を閉じたところもまた、ホラーらしくて好きでした。
完結と明記された章の後、後日談的扱いの部分までしっかり読むことをおすすめします。
本当に文字通り穴ふたつである。
今の世では誰もが当たり前に読めて、誰もが当たり前に使う文字。
目にするからこそ、目に来る展開。
なにより目に来るのは、小説音楽絵問わず、制作するからこそ、避けられぬ評価たる渇望。
他者より上へ、先へ!誰からも生まれ、誰もが抱くからこそ、否定できない。
否定できないが、行動したからと言って望んだ結果を得られるとは限らない現実もある。
好評だろうと悪評だろうと、無駄になろうと作る。作り続ける。
例えるなら、届かぬ星に手を伸ばす、海の魚が山の水を求めるようなもの。
欲望渇望に綺麗も汚いもないが、抱くはしても、吞まれてはダメ。
ダメだが、小説投稿サイトだけに、ガチで起こりそうだからシャレにならない。
小説投稿サイトで自作の評価に執着するとある作家が、ランキングやコインの増減に一喜一憂している様子!これは!カクヨムに小説を投稿している方なら、みんなドキンとする設定です。しかも自作を「時流に乗っている」「読者が求めるど真ん中」と信じる!我々の陥りやすい罠です!しかしその後、とある理由からその作者はある恐ろしい行為に!ぎゃあ!!そして登場する主人公、彼女も作家。上位ながら先行突破に不安を抱える彼女。そんな彼女がコメントでとある男性と語り合い、恐ろしいタイトルに惹かれてついクリックする彼女!そして不可解な出来事が重なり始めます!こ、これは、怖すぎるお話です!ホラー好きのあなた!読まなければ!