第17話

「木崎は大学進学か・・・」



「はい・・・・」




気がつけば、夏休みも終わって長袖を着る季節になった





「国際女子か・・・まあお前なら問題ないだろ」



「ありがとうございます」



「とりあえずこれが概要とか過去問題とかだな・・」



「はい」



「頑張れよ」



「はい・・・」





段々と近づく人生の岐路




ここで人生が大きく変わるなんて大げさだけど、ここが別れ道になる




ハルを避け続けた私は、結局大学進学を選んだ




英語だけが得意だったから



理由はそれだけ




昔、付き合い始めた頃ハルに聞かれた事がある




『将来何になりたい?』




『将来?・・・・』


『うん』




『うーん・・・英語の先生とかかなぁ・・・』


『いちご英語得意だもんね』


 

『英語だけ!ねっ』



『あはは』




『だけど、一番なりたいのは・・・お母さんかなぁ』



『結婚?』



『うん。結婚して子供産んでお母さんになりたい』



『いちごが?』



『何か失礼な反応だなぁ~』







あの時、どうしてハルに聞いてあげなかったんだろう




ハルは何になりたいの?って




どうしたいの?って

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