第13話

「大体、進路指導室ってどこにあるのよ」




「行ったことないから分からない」




「いちごって進学?」



「うん・・・一応」



「そっかー。私はどうしようかな・・」




少しだけ先の未来を見据える力が私達にはまだ乏しい




一日先さえも必死なのに




見えない未来にどことなく不安を感じてお互い口を開かなくなった




ふと見えてきたプレートに刻まれた




‘進路指導室’




そのドアに掛けられた札に『指導中』と書かれてあった




「どんだけ真面目よ・・・」


「すごいね」




休み時間なのに使用している子がいるなんて知らなくて悪いと思いながらも廊下の窓からそっと中を覗いた私は




中にいる人物を見て息を呑んだ







「え、ハルくんじゃん・・・・」



「・・・・」




運がいいのか悪いのか、暑さを凌ぐ為に少し開けられた窓から中の声が聞こえてくる

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