第84話

再び指が入り込んできた。

さっき達したせいか、身体が熱くてひたすらに快感だけが迫ってくる。



直『や、だ、もぉ…』

藤「なに?」

直『ちゃんとしてっ…指だけじゃ…や…』



涙混じりでそう口走る。

恥ずかしさより、この瞬間は藤くんを求める気持ちが上。

ただこの人がほしいだけ。



直『あああ…!ひ、ぁっ、や…!』

藤「チャマっ…は、すげ…ぁ、」



スタジオって、なんか知らないけど鏡張りのところが多くて。

…全部うつしだされる。

俺たちが、ひとつになってるところ。



直『やだ、見、えちゃっ』

藤「何、今さら…はぁ、…さっきから、ぁ、ずっと見えて、る」

直『は、ぁ…あっ』



鏡のなかの藤くんと目が合った。

内心すごくゾクリとした。その瞬間、動きがさらに速められる。



直『ぁあっ!』

藤「へぇ…ふっ、見られるの好き?」

直『あぁん、やっ…意地悪…!』



少しは身体が藤くんに慣れてきた、そう思ってたけど。…すごいね。



直『あっ、ぅ、んっ、はあ、ゃ…っ』

藤「チャマ、チャマっ…!」



俺をこんなに夢中にさせるのは…



藤「チャマ、も、ぁ…イく…っ!!」

直『んぁ…ああ!ふじく…!!』






―――あなただけ。

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