第4話
叔母さんが見えなくなったのでアパートのところまで戻ると、曲がったドアの隙間から入り込み、貴重品や歯ブラシ、後は腐りそうなものをバッグに詰める。
そして、同じように隙間から這い出ると101号室……叔母さん達の部屋のドアへと向かった。
ポケットから受け取った鍵を取り出し鍵穴に差し込むと、
「おい!」
「うわぁってお前か。ごめん忘れてた。」
急に後ろから声をかけられ驚いたが例の少女である。
「忘れるなバカ!」
どうやら忘れられていたことにご立腹のようだ。
「ごめんごめん突然の事態に困惑してて。それで、どこにいたんだ?」
「話をすり替えるな!…まぁいいや、僕はあれを見てたんだ。」
そう言って彼女は、ブロック塀の角を指差す。
そこには一輪のポピーが咲いていた。
「花が好きなのか?意外と可愛いとこもあるんだな。」
「でしょ。君とは違うんだよ。」
そうドヤ顔で言う姿を見てやはり可愛くないやつだなと思った。
101号室のドアを開け、中に入るが自分の部屋の内装と違い、少しの違和感と新鮮味を覚える。
すごく眠い時に間違って隣の部屋に入ってしまった時の感覚である。
「ここ、君の部屋じゃないよ?」
鍵を閉め、靴を脱いでいると彼女がそう言った。そういえば伝えるのを忘れていた。
「車が突っ込んだせいでうちの玄関がダメになったからな。しばらく叔母さんが部屋を貸してくれてるんだ。」
「ふーん」
そう言いながら彼女は何か物珍しいのか部屋一帯を見渡す。
「どうした?気になる者でも…」
「君の部屋よりよっぽど綺麗だね。」
「やかましいわ」
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